「松翁」   ★★★○  1998. 8






入店




先日、何気なく「料理王国」のバックナンバーを見ていると、 ふと目に付いた「そば打ち」の文字。


最近、自宅でそば打ちを始めた。

が、まずい・・・とまでは言えないとは思うが、 嫁曰く「あれを客にだすのは犯罪だ」との事。


ひどすぎる!!


ならば、外のそばがどんなものか食ってみようじゃないか!という 話の流れで見た記事だ。 改めて読み直す、非常にひかれる。。

なんといっても一人前200gという気っぷのよさにもひかれて。


即、土曜日にチャレンジ。


神保町から歩く、暑い中歩くのはなかなか酷だ。(15分ぐらいか?) 大通りから1本内側に入ったところに人だかりがする。もしやと思い 近づいてみるとその通り、目的のお店があった。


外で並ぶこと10分以上。 中に入っても10分ぐらいは待っただろうか?


店は小さい。また店員の手際もよくない。



徐々に私のストレスが溜まってきていた。 あと10分待たされていたら帰っていたかもしれない。 ちなみに店に着いた時間は、1時半すぎである。こんな時間まで込んでいるとは・・・


ようやく席に着くと、生ビール(小、中、大)の中から、小を注文し、


そばは、

  ・ ざるとけんちん汁 1100円
  ・ つけとろそば   1100円


を注文。 家を出る前にコロッケを食べているので、それほどお腹は 減っていないので、こんなもんでしょう。。。。


さて、ビールと一緒に、突き出しが出る。

突き出しは、量的にはほんのわずかであるが、柚みそ(?)

よく分からないが、柚の風味がはっきり感じられ、そばの実らしき なにかの雑穀がまざって食感をあおっている。 なかなかよい。 日本酒が欲しくなる味である。期待が高まる。


そばは注文をしてから時間がかかる旨の張り紙があり、確かにやや時間がかかる。 私たちの席からは、ガラス張りで店の主人らしき人がそばを切っているのが見える。
大きなそば切り包丁だ。


そば待ちの間に、調味料入れの中を見ると、雪のような塩が入っている。
これがなかなかあなどれない。 やや苦みが感じられ、塩分は弱く、 その舌触りがさらっと舌に溶けるような感じの塩である。いったいこの塩はなんであろう??


たった2つの品を見ただけであるが、

素材の良さを感じさせ、これからのそばを期待させてくれる。




そうこうしているうちに注文したそばが現れる。 ちなみにそばつゆは 注文時に、濃い口と薄口を聞かれる。当然は私たちは濃い口である。

そばの色はそれほど黒くなく、やや白い感じで、我が家とは比較にならないほど 1本1本が細い。続いてそばつゆの香りをかぐと厚削りとおぼしき鰹節か さばぶしか分からないが、だしの香りをはっきり感じる。


そして、そばをつゆにつけて口中に放り込むと、その風味が見事!!


気のせいか、柚に似た風味が口中に広がる。 これがそばか??  (残念ながら、その味や風味を表現できない。。。)

私がイメージしていたそばらしくない、そばであるが、非常に美味である。


そばは好きであったが、軽視していたため、今まで食べ歩きなどは してこなかったが、今までの概念を大きく崩されたのは事実。 (今まで有名店と言われるところで食べたのは、「藪」ぐらいであろうか)


続いてけんちん汁。  やや苦みが感じられるが、それがうまみにつながっている。なんの苦みだろう??

また、とろろの粘着性(固い・・)は素材の良さを感じさせ、もちろん味もそれに伴うものだ。



量も噂に違わず、たっぷりで十分満足できるであろう。

何度もいうが、残念ながら、風味をうまく表現できない。


「もう言うことはない。食べに行け。後悔はしないだろう。」



そば初心者であるが、正直感動した。そばで感動するとは思わなかったが。 (ちなみに安いそばは週に2〜3度は食べているのだが・・)


さて、1回目の訪問はこれで終わりだが、たぶん近いうちに行くだろう。 自宅でのそば打ちの目標もできたし。 





最後に

今まで、私のそばの試食につきあってくださった方、すいません!!!
反省します。 あれはそばじゃないです。 違う食べ物だと思ってください。