ラ マティエール (La Matiere)

★★★★○         2013. 12
IMGP9500.jpg(349529 byte)

今回は恥ずかしながら私の誕生日。
もともとは奥方の誕生日に、、と思っていたのですが、途中移転が決まりまして前倒しで、こちらにお邪魔する最後の機会になりました。

たまたま知人も誕生日ということで、こちらにお邪魔することが後日わかりまして、 じゃあいっしょにやりましょう!ということで、合同誕生日会。
ちょっといい歳こいて、、というのもありますが、祝いは楽しくやりましょう。

普通のディナー(?)への最後の訪問ということで、今回はかなり気合入れて写真などは撮りましたが、いかんせん腕のほうは急に上達するはずもなく。

というわけで、お店の全景。
実は、数時間前に小田原入りし、夕景にうかぶお店を撮りたかったのですが、すでに日は落ちてしまいました。
事前に写真アプリで太陽の光線やら時間などを計算したのですが、お店の前がちょっと高くなっていて。
読み間違い;; もっともまだこのアプリを使いこなせていないのですが・・・

IMGP9545.jpg(342322 byte)

なので、こんな写真も撮ったりして。

IMGP9552.jpg(328863 byte)

誕生日ということは伝えてありますが、何せ前々回素晴らしい食事を供していただき、
そうそうそれは超えられないと見ていたので、それでも今年いろいろお世話になった〆にはふさわしい、、、という心境にて。

人数もちょっと絞り気味にして計5名にて。
もっと他の方にも味わっていただきたいのは山々なのですが・・・・今回は自分中心で(笑)

IMGP9573.jpg(244141 byte)

まずはバター。 2種。 エシレとイズニーの発酵バター。
恥ずかしながらイズニーというバターは知りませんでしたが、かなりのレベルのようですね。
ちょっとネットで検索するとたくさん出てきます。

見た目がちょっとチーズっぽいですね。バターでAOCに認定されているのは現時点では4種の内2種が並んでいるわけです。
他には、ドゥー=セーヴル とポワトゥー=シャラント(レスキュール)だそうです。 未食かな?

IMGP9582.jpg(260160 byte)

前々回からの登場。錫紙。 やわかい。形変えられる。
シェフもどんどん新しいものを取り上げていきます。 こちらで初めて見たあとにすぐTVの特集みたいなので見ました。
WEBなどでも。

IMGP9594.jpg(223398 byte)

まずは供される食前酒の前の一息。ハーブティー。 うれしいですね。 寒い時にほっと一息つけられるのは、、、
ここから、目くるめくディナーの始まりです。 すでにパブロフの犬状態(笑)

今宵は、風邪予防と消化促進を狙ったミントベースのもの。 ちょっと辛みは生姜? ちょっと苦味も。そして、ほんのり甘みもすっきりと。

IMGP9598.jpg(208205 byte)

IMGP9601.jpg(249426 byte)

すいません、一口飲んだかな? シャンパーニュはブーブクリコのロゼ。
見た目きれいなロゼ色。 やさしい泡立ち。 マダム曰く”着物の色合いの箱にネットで惹かれたのだが、実物はイマイチ”とのこと(笑)
味わいとしてはドライ系。 風味もそれほど強いものではありません。 スターターでやさしく、、、といった感じ。

IMGP9605.jpg(289255 byte)

広島の牡蠣

牡蠣をシャンパンでポシェし、聖護院大根で巻いたものだそうです。 下にはほうれん草のピュレ。
上からは自家製唐墨のパウダーをふかけて。

繊細な味わいでふわっとした食感。 風味はシャンパン由来のものだろう? よい香りがするし、食前酒の相性が悪いわけがない。
なかなか贅沢なスターターだ。

IMGP9610.jpg(323781 byte)

旨味がカラスミから補われ、秋を意識した野菜の落ち葉が酸味がしっかりと。
黄色が安納芋。 白はかぶ。 赤が紅芯大根の3種。 おそれいります。

ピュレはなめらかで、うまみも強くこちらからもプラス。 みなさんソースまできれいにいただいてしまいました。

IMGP9618.jpg(328075 byte)

IMGP9628.jpg(271576 byte)

厳選の食材をまずは一つ。 私にとっては定番となったライムキャビア。
それにしても、、、分量が増えているぞ!! 

このライムキャビア検索してもらえばわかりますが、輸入量が少ないせいでしょうか? かなり高額です。
フィンガーライム/ブッシュキャビアとも呼ばれるそうですが、原産はオーストラリアのアボリジニの食生活に利用されてきたBushFoodの一つのよう。
現在はコマーシャルベース用にカルフォルニア産が出回っているようです。


ざっと見ると1本150〜200円ぐらい? このボールの量でキャビア2瓶以上といっておられましたが、ネットで見るとざっと2万円超えかな??
一般のレストランで使うにしても、普通の原価率で考えたら、高級店でしか扱えませんね。

ちょっと見ると日本で苗売っているようですね(笑) そのうち栽培されるようになるかもしれません。

IMGP9639.jpg(240279 byte)

琵琶湖ワカサギのフリット

シンプルに見える一皿かもしれませんが、どうしてどうしてあなどれません。
味わいはしっかりめで、苦味が心地よく、下にはスペルト小麦はトマト味で調理されており、上にはライムキャビア。

スペルト小麦は好きな食材ですが、久しぶりです。 モチモチした小麦の食感と対照的にワカサギはふわっと優しい食感。
それにしても、この皮薄くないですか?  酸味とプチプチした食感のライムキャビアがアクセントに。

IMGP9650.jpg(245929 byte)

これに合わせるワインは、ソービニオン・ブラン。ベネト州。 写真がない?
ワインはちょっとオイリーな感じで、フリッとにはよくあうのですが、ライムキャビアの酸味のほうが優ってしまったかな?
ややワインの印象が希薄ですいません。

IMGP9655.jpg(410295 byte)

引き続いてあらわれる食材の数々、、

IMGP9738.jpg(359134 byte)

駿河湾のラングスティーヌ かなりの大型。 こいつがうまいんだ、、また。
一人1匹か、、、すごいんですね〜

IMGP9673.jpg(495192 byte)

つづいてイセエビ。 結構大きい? どちらも動いています。

IMGP9742.jpg(375830 byte)

IMGP9685.jpg(379149 byte)

つづいてても。

IMGP9681.jpg(350292 byte)

フランス産の鴨。 つやつやふわっとした毛。 とてもきれいですね。

IMGP9697.jpg(331623 byte)

触ってもいいですよ、、とのことで、初めて触るかも。 ふわふわです♪
そういえば、頭みえませんね。 隠したのかな?(笑)

IMGP9689.jpg(327810 byte)

下関の身欠きフグ。 つやつや、ぷりっとした身質に見えます。
フグも久しぶりです。

IMGP9728.jpg(199542 byte)

着席してから、供されるいつもの一皿、、、とはいってもは中身は毎回アレンジなどは違います。

IMGP9732.jpg(202771 byte)

恒例のキャビア ジュエルボックスからの登場。 開けるたびにわくわくします。

IMGP9734.jpg(225185 byte)

IMGP9749.jpg(237697 byte)

キャビア

上にはどうどうと金箔が。クリスマスっぽい? 
中も贅沢です。毛カニとリンゴのタルタル、毛蟹のムース、スターレットキャビアなど。
もちろんリンゴはガストロで酸味を引き立てたもの。
縦(縦の層を一口で)にいただいてください、とのこと。

IMGP9764.jpg(242429 byte)

口の中に広がるカニの風味。 なめらかな食感とりんごのさくっとしたシャキシャキ感との対比。
味わいとしてはフォアグラなのか?濃厚さがしっかり。 ワインとの相性がちょっとかな〜? ちょっと濃厚さがカニを殺している気も。

リンゴの甘さと酸味がなめらかなムースとタルタルによくあいます。 グリーンはアボガドだろうか?

IMGP9758.jpg(199753 byte)

ワインはこちら。 ベネト州ルガーナのワインとのことで、以前もいただいていますね。
完熟にまで近づけたブドウを収穫したものとのこと。

パンは黒オリーブ で美味。

IMGP9767.jpg(231758 byte)

続く一皿に合わせるワインは、ナンフロ。 むわっとした風味。 旨味あるがきりっとした酸味が印象的。
シチリアはグラパーゼ・サンマウロ。

IMGP9772.jpg(204683 byte)

IMGP9777.jpg(333785 byte)

サンマのテリーヌ

ちょっと時期的にははずれているから、、と供された瞬間には思った一皿でしたが、かなりの味わいでした。

サンマ、フォワグラ、赤ワインのソースを層にしたものとのこと。
サンマのリエットを凍らせてパウダー状にしたものを上から。 スライスされたトリュフに、それにカブはオータムポエムという品種?

口にほおばると、凍らせたリエットが解けるのだろう、ふわっとしたさんまの風味が広がり、
さんまのしっとりとした身質、つなぎの赤ワインソース、 なめらかなフォワグラの食感が来て、その後からフォワグラの上品の甘みとコクが後を追いかけてきます。

IMGP9782.jpg(322542 byte)

それらがサンマの風味と合わさって口の中でとろけるように感じられます。
この3つの素材がきれいなハーモニーを奏で、一つ一つが主張することなくとてもうまくつながっています。

赤ワインとサンマという定番の組み合わせだが、これにフォアグラがよく合う。
脂が強すぎないからこそよいではないだろうか?  さんまの繊細ないい部分だけ抽出したような旨味と風味がたまりません。
トリュフもこれによく合っていて。

IMGP9798.jpg(283531 byte)

IMGP9805.jpg(274171 byte)

下関の天然ふぐとラングスティーヌ

フグはカルパッチョにラングスティーヌはレア感を活かした火入れの2種。
上からはアルバ産の白トリュフを薄くけずってみました。

下にはアロマティックレギューム、、香味野菜が敷かれています。 ういきょう、玉ねぎ、セロリ、根セロリだそうですが。

エビはほんのり焦がした香味。 食感はふわっと柔らかく。
ふぐはしっかりとした噛み応えと、噛むたびに広がるうまみ。

IMGP9817.jpg(258891 byte)

ふぐの身厚なカルパッチョになっており、白トリュフはこのフグとよくあうのです!
シャキシャキの香味野菜と合わせるとまさに無敵。
ただし、ラングスティーヌはうまみしっかりしているので、トリュフなくてもOK。

これがどれだけよかったかというと、
この秋にフランスで何年か分の白トリュフを食べてきた同席した知人いわく
”白トリュフを活かす料理としては今年ぴかイチ! この淡泊さの中でトリュフの風味が生きる。 白はおいしいが黒でもいいんじゃない?と思うことがしばしばあった、とのこと。”
香味の野菜の根セロリがよい。 アクセントに、、、きっちりとした酸味で飽きさせないつくりにもなっていて。

IMGP9823.jpg(192587 byte)

これに合わせた白ワインはこちら。

IMGP9829.jpg(172865 byte)

安納芋のスープ

使われているのは、秦野市のアローカナの卵、トリュフ塩、そしてイタリア産のアルバの秋トリュフ。

これもなかなか印象的な一皿でした。 ワインは野菜の甘みを感じさせるもの。
バターの香りも スープによくあって。 

特に面白いのは、安納芋はかぼちゃとは違うものの似た風味もありますが、色はぽってりした食感と濃い黄色でそっくり。
トリュフがトリュフっぽくない良さ。 どことなくとろろ昆布ちっくな深い味わいを引き出しています。 これ以上いったら、和になるぎりぎりのラインをついた絶妙さ。
このトリュフが強く主張しないが、いいバックボーンになっており、アローカナ卵のコク、いい塩梅の控えめな塩気。

さらに、ほのかな酸味がこの濃さの中に軽さを与えており、飽きさせない。

このギリギリ感がすごい

IMGP9840.jpg(212397 byte)

ワインとものすごいマリアージュが楽しめます。 
ちょっと栗の風味 とろっとした味わい こくのあるワインにぴったし。
この栗的なニュアンスの組み合わせは江戸川橋のイタリアンでよく味わいました。あんな感じ。

次のページに進む >>

>> French へ戻る

Copyright (C) 2013 Sinp, All rights reserved.