紅葉を兼ねて楽しみにしていたこちらにお邪魔させていただきました。
facebookなどからその状況を逐一見ていた関係で、目いっぱいテンションあがりまくりでの訪問です。
テーブルに置かれたメニューからは本日のメニューがずらっと記載されている。
メニューには、 霜降 楓蔦黄なり/もみじつたきなり:日本七十二候より茶 とあります。
これを見ながら料理を想像していると、最初の一口目が・・・
綺麗な色合いです。 苦味は弱く、かすかな甘みが優しく胃にほどよい刺激を与えてくれます。
それほどお茶に関しては詳しくないので、本来の薄茶との差異はよくわかりませんが、食事の導入部ということで、優しい風味で。
バターはボルディエ。
黄色のは薫製をかけたもの。 オレンジ色のは唐辛子を練り込んだもの、とのこと。
少しいただきましたが、それほど強い主張をするものではなく、また料理がそれほどパンを欲しない味わいだったので、味見レベルで。
そして次には食前酒としてのシャンパーニュ。
Agrapart & Fils アグラパール ブラン・ド・ブラン テロワール グラン・クリュ NV
写真を撮っていなかったので、おそらくこちらかと。
ちょっと調べてみるとワイングロッサリー扱い?
最近こちらとのお付き合いもありそうなので、一時期のイタリアも使いながらのフランス、日本などが入り混じった感じになりそうで私にはより楽しみです。
そちらによれば、アヴィズ村、オジェ村、クラマン村、オワリィ村の葡萄を使い、48ヵ月の瓶熟成期間を経たシャンパーニュとのこと。
後口すっきり、香りははじめはガツンとしたものですが、後からほんのり甘みも。
例によってこの小さな一皿にいろいろな味わいが組み込まれております。
卵黄のコンフィと上には泡が乗せられており、一番に上にはスパイスのアニス。
中には、いくらが入っているようです。
脇に添えられたスプーンには、白身のサンドの間にズワイガニとトリュフが。
白身の固めの食感が意外に面白いですね。 シャンパーニュとの相性もよく。
本体の卵のほうは黄身がとろとろな仕上がり。 醤油の風味もわずかに感じられ、心地よい味わい。
いくらとクルトンのさくっとした食感が合わないわけがありません。
見た目は定番の一皿ではありますが、中は毎回アレンジされております。
今回はリンゴとバニラのムース。 角切りリンゴと毛ガニ。 キャビア。
赤牛(とさか牛)は岩手の短角牛でコンソメのジュレが上に載っております。
リンゴの酸味とバニラの甘い香り。
コンソメジュレは力強い味わいこの小さな一つの瓶の中にいろんな味が詰まっています。
もちろん美味しくいただけるものですが、何度かこのバリエーションをいただいた印象からするとバランスが今一つな印象も。
強く口の中にクリームがねっとりと残り、ややしつこい印象も。
リンゴの酸味で切ってくれることをイメージしていた可能性を想像しますが、想像以上にムースが強かったかな?と。
Friedrich Becker Petit rose プティ・ロゼ Q.b.A. 2012
販売先のサイトによれば、ドイツのピノノアールの第一人者とのこと。
このぶどうとキツネのラべルがトレードマークのようです。
こちらはピノノアール主体にカベルネなどを使ったロゼのようです。
フルーツのお浸しのようなイメージとはマダムから。
京都の干ししいたけのお出汁をGV(ガストロバック)で浸透させた柿。
エシャロットと椎茸のポワレ。 本枯れ節。 イノシシの生ハムもそえられて。
グアニル酸はシイタケのうまみ成分ですが、一般的には工業的に生産されて利用されるようですね。
個人的な好みからすると、あまりおいしそうには聞こえませんが(笑)、先進的なイメージが付くからそれが狙いなのかな?
材料をご覧いただければ分かりますが、それぞれが強い旨み。
超個性的な旨みが喧嘩しあって、口の中でバラバラに主張しています。
フランス料理は掛け算だと思っていますが、これはもうちょっとアレンジが必要じゃないかな?とあくまで個人的には。
ラベルがかわいいですね。
Geverey Chambertin 2011 David Duband
ダヴィド・デュバンという若い作り手のジュヴレ・シャンベルタン。
販売元のサイトからは、こちらの畑はジャッキー・トルショが'05ヴィンテージを最後に引退し、以降その畑を引き継いでいるそうです。
ちなみに、パンは大阪南堀江pan cafe ficelleというところから、新たにいれているそうです。
以前は自分のところで焼くことを考えいたそうですが、気に入ったパン屋が見つかったようですね。
知らなかったのですが、ちょっと調べてみるとパン屋というより「パンが有名なカフェ」のようですね。
それほど強い印象を感じなかったのですが、料理にはこのくらいのほうがいいのかな?とも。
京都はパン屋のレベルが高いですからね〜
おじろ猪のパテは安定感が出てきて好みの味わいで美味。
キントア豚は三枚肉の部分をスパイスで香りづけしたもの。 野菜はGVで石清水を浸透させたものでパリッとさせています。
この見た目は、鹿児島のクリスタルサラダ、、として目にしていたものですよね?
初めていただきますが、驚きました。 このサラダには目を見張りました。
さすが名物になるだけの味わいで、フレッシュ感がありシャキッとしています。
こちらで、GVをかけたいくつかの品をいただいていましたが、確かにこういうのが一番の驚きでした。
このグリーンの透明感がすごいきれいですよね?
次は日本酒を料理にあわせて。 それをリーデルのブラックタイシリーズでいただこうとは。
前から気になっていたのですが、このグラスはソムリエシリーズですよね?
お料理の値段から考えると考えられないのですが・・・
またお酒を注ぐ容器もいいですね。
金(料理に乗った金箔とか)で気分があがるほど単純ではないつもりですが、こういうのはテンションがあがるというものです。
聚楽第 純米吟醸 佐々木酒造
佐々木酒造のサイトから引用すると
「京都産米を原料に、濾過などを差し控えて米の旨み、香りをそのままに瓶詰めした自然流の純米吟醸酒です。まろやかな口当たり、キレの良い喉ごし。」
とのこと。
温製のフォワグラは佐々木酒造さんの酒粕を使ったもの。
酒粕フォワグラはいただいていますが・・・好みからいえば初回が何と言ってもバランスが良かったかな?と。
もちろん、あの材料は無理なのは分かりますが、酒粕だけが主要因かは分かりませんが。
一緒に添えられていたものは長崎の菊芋、鹿児島の安納芋を蜜柑の蜂蜜などを使って。
上には白トリュフを削ったものをかけて、土の香りをイメージさせて、とはお店の方より。
奥に添えられた泡はグランマニエの泡。
温かな香りに包まれた一皿は安納芋の甘さをほどよく引き締めてくれます。
柑橘系の香りは、グランマニエのオレンジの香りと蜜柑の香りが相乗的に。
フォワグラに甘さは欠かせない要素とは思っていますし、個々の要素としては分かりますが、
先日もいただいたシンプルにイチジクのジャムやら、栗の蜂蜜なんかのほうがどうしても好印象に。
メインは森鳩ということで、このディスプレイ。 よいビジュアルです。
Savennieres Les Vieux Clos 2011 Nicolas Joly
定番系のワインかもしれませんが、このワインの味わいはやっぱりはずせません。
やっぱりこちらの作り手はすごいな、、としみじみ。
以前から試作を繰り返していたようで、実は楽しみにしていた一皿。
川のジビエをテーマに取り組んでいたようで、そろそろ最終バージョンに近いでしょうか?
アップルキャロットのピュレ、鯉のアラ、赤ワインに付け込んで少し発酵させたソース。
スパイスも複雑でいろいろ入っているようですが、すいませんが、解析はできませんでした。
マダムのおっしゃるように、ほんのり中華を彷彿とさせるスパイス使い。
ソースには酸味と甘み。 土の香りは鯉由来か?
これにシュナンブランを合わせるという発想は、さすがに私にはありませんが、これがなかなかよく合います。
5回目の試作で冷製→温製といろいろな変化をつけながら、突き詰めていった一皿、という説明通りに、
確かに完成系と思える納得の味わい。
この皿との色合いや配置なんかも素晴らしく、好きなスタイルです。
川魚独特の風味とは異なりつつも、特徴的な風味は、「川のジビエ」というのにふさわしい一皿。
頂いて3カ月後に書いておりますが、今でもこの独特の風味は記憶に残っています。
今までない、、というのは強烈な印象を与えてくれます。
ただ、この風味をちょっと分かるように説明するのは難しく、ご勘弁を。
なお、小骨を取り除く作業が大変だそうですが、頂いてみると実際に一切に口の中に当たるものがなく、なめらかにするっと口の中にすっと入っていきます。
鳥居平今村 Toriivilla Imamura Cuvee Yuka
以前に何度かこちらの上級キュベをいただいたことがあり、かなり好印象のこちらの白ワイン。
こちらも多少安定供給されているようですが、なかなか目にする機会がないですね。
なめたけ、しいたけ、なめこ、銀杏なども。
スッポンの肝と卵も入っており、さらには上にはたっぷりのトリュフ。
スッポンはなかなかフレンチでいただく機会はありませんが、海亀などを使った有名な一皿もありますので、
それほど違和感はありません。
味わいとしては十分に美味しいことに異論はないのですが、
和食でいただいたスッポン単体のほうが、香味高く素晴らしかった記憶があります。
せっかく、様々な食材をあわせていますので、掛け算で和食を上回る味わいを期待したいところです。
個人的な好みかもしれませんが、、、、
ただ、そんなに和食に詳しくない私が言うわけですから、和食に慣れしんでスッポンなどをいただいている人はどう思うのかなぁ〜?と。
ガシラはカサゴもしくはカサゴの仲間を指すようで、主に関西でいわれる呼び名のようですね。
上にはキャビア、ソースはボルディエの燻製ブールブランソース。
クラシックなスタイルなので驚きはありませんが、やはりこういう料理はちょっと濃厚な白ワインがよくあいます。
魚の酸味がちょっと強い? ですが、味わいとしては十分に楽しめます。
ただ、奥に枕としている海老芋も卑怯なぐらいによい味で、そちらのほうがよい印象でした(笑)
Bourgogne Blanc 2011 Domaine Remi Jobard ドメーヌ・レミ・ジョバール
知らなかったのですが、ムルソーの作り手。 そのためこちらのブルゴーニュブランはムルソーに近い味わいだそうで。
ちょっとピンボケで。
ご覧のように松ぼっくりを使ってスモークテイストにしているそうです。
こうすると、桜チップのように強すぎず、柔らかなスモークがかかるそうです。
Gevery Chambertin Domaine Perrot Minot 2012 ペロ・ミノ
ペロ・ミノのジュブレしゃべるタンは、村のもっとも南のモレンサドニにほど近いエリアで葡萄が作られているそうです。
柿をスープ、ソルベ、フレッシュの3種のそれぞれのテクスチャーで楽しめるように作られているそうですが、手間かかっていますね。
いつもながら驚きです。
メレンゲ、シナモン、和三盆をスティックにしたものを添えて。
ソルベは杏仁系のリキュールの香り(アマレット?)、一口の柿といっても香りやスパイスなどでアクセントをつけています。
アマレットはディサローノだそうです。
ウィキによれば
「ディサローノは元祖のブランドであるアマレット・ディ・サロンノが、一般にアマレットという名称で販売を開始したため差別化を図るために命名した」
ものだそうです。
さらには、上にはカカオのクラッシュがポリポリとした食感をアクセントにしています。
鹿児島のイタリアンでの修業を終えて、京都で合流した方の発案とか。
カカオの風味が強すぎずに、杏仁の風味とよく寄り添い、一体感を楽しむことができます。
同席した奥方からは、新しいグラニテの形では? と。
どんだけトリュフやらキャビアなんかが入っているんでしょう?(笑)
さらには、これはアルバ産の秋トリュフだというから、やはり見た目の風格が違います。。
なんという贅沢なんでしょう。
ソースはサラミ。 砂肝や肝、心臓のプロシェットも奥に。
マッシュポテトが下に。 腿の部位に近くにあるナッツのタルトも。 その中は、松の実やひき肉を詰めて作ってあるそうです。
十分にアルコールが入り、満腹度もぼちぼちMAXに近くなってくると、どうしても細かい記憶は・・・・
普段インド料理なんかを作っていることをご存知なシェフが、ちょっと遊び心でカレーを作ってくれました。
いやぁ〜 嬉しいです。 こういうちょっとしたお気遣いが。。
さらに遊び心とはいえ、イノシシ肉のキーマ風カレーというからすごいものです。
またご飯はわざわざバスマティライスを使っていただいて。 ご飯も色をついているので、ブイヨンなどで炊いたのかな?
インド風とは異なりますが、欧風とは違った香味が、鼻にぬけてくすぐったいほどに魅力的な仕上がり。
非常によい香りです。 存在感のあるスパイスと味わい。
上にのせられたパクチーともよく合うし。 さらにはキーマ風といっても、ひき肉は粗目でごろごろと一口大サイズも入っており、食べ応えがあって。
それで表面はさくっとした食感です。
うーん、やられました。 今回は前菜の鯉ともう一つ印象的だったのはこちらのカレーでした。
Cremant de Bourgogne Cuvee Chardonnay Les Vignerons de Haute Bourgogne レ・ヴィニュロン・ド・オート・ブルゴーニュ
最後に泡ですっきりと仕上げます。 どんだけ飲んだでしょうか? 飲みすぎです。
ちょっと調べてみるとこちらはシャンパーニュに境界を接するブルゴーニュ・シャティオン地区で、シャンパーニュと同じ伝統的な作られたクレマンだそうで
合計36haの畑を所有しているのですが36人の組合員の持ち分がそれぞれ1haづつ持っている、とのこと。
フロマージュは3種。 ロックフォール・パピヨン、ポン・レベック、ブエノスアイレスの夜と名付けられたイチジクを練り込んだチーズを。
中目黒のユーロアールから。
個人的には、こちらのはロックフォールが一番美味し野ではないか?と。
こちらは、シェフが最近はまっている近所のコーヒー屋さんの豆です。
かなり色は浅めですね。
ちなみに後日、お店を教えてもらって買ってきたのは、こちらの下の写真です。
時間がなくて、すぐ買って帰れるものを選んだのですが・・・・
コーヒーをよく飲まれる方はこの差が分かると思います。 この差はお店用にアレンジしてあるのか? お値段が違うのか?は分かりません。
シェフが渾身の気合を入れてハンドドリップでコーヒーを淹れてくださいます。
そしていれただいたのはこちら。
コーヒーはワインのように香りを楽しめるものなのに、あまり香りを引き出すようなカップがないなぁ〜と思っていたのですが、こうきましたか!
せっかくいれていただいたのに、この後はいろいろとシェフと話してしまって、冷めてしまいその味わいについては検証足りず。
また次回ゆっくり楽しませていただきます。
軽く。
香りはグラス内に閉じ込められて楽しめますが、ワインほどの爆発力をもっと想像していました。
また味わいとしては意外に酸味がしっかりとしていたのは、これはグラスなのか? 豆なのか? とか。
ワインもグラスで味わいが結構変わりますので。
また重心が高く、ちょっと飲みにくい印象も。 もっとも足が短いほうが安定はするかもしれませんが、美しくないしね〜
柿、洋ナシ、葡萄をガストロバックでシロップを浸透させたものを中心に、周りにはバニラアイスにタルト生地をクラッシュしたものを乗せたものや、
バローナの新作である、ブロンド・チョコレート「DULCEY(ドゥルセ)」を使った焼き菓子などを。
黒い粒もバローナのチョコレートだそうです。
ブロンドチョコレートを使った焼き菓子の風味が非常に高く好印象。
味わいも好みで、ふわっとした口当たりも楽しめます。
そして、これで終わらないのが怖いところ(笑)
蓋をあけてもらうとこんな感じで、小菓子の世界を広がっています。
味わいはどれもレストランならでは仕上がりが楽しめるもの。
黒七味とバローナのチョコレート、、これがなかなか美味。 ピリッとアクセント、ほんのりと柚子も香ります。
きなこをまぶしたギモーブ。 ちょっと辛い? スパイシー?
抹茶のオペラと抹茶のフィナンシェ。 フィナンシェは表面が固めで、食感が面白いのは抹茶のせい?
煎茶のフィナンシェも。
やや手厳しいコメントが続いたかもしれませんが、素直に美味しいのは美味しいのです。
ただ、以前の味わいを知っている身としては、、、ということでお許しください。
きっと、近いうちに以前を上回る、まだ知らない未知の感動をさせてくれることを信じています。
今回のショートトリップでは、この翌々日もランチでお邪魔させていただくことになっているので、また次はどうなるか?と楽しみ〜
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