何をそうそう京都まで、、、、と皆さんが思うのは、私も同様です。
しかし、なぜならそこにMAVOがあるから、という一言に尽きるかもしれません。
今回は、ちょうど相方の誕生日と結婚記念日に、どうしてもこちらにお邪魔したくて。
ちょっと1泊2日という強行旅行を敢行。
前回は11月の訪問から2カ月ほどしか経っておりませんが、どう変わっているか?という点に興味津々でしたが、
そんなおこごましい思いを叩きつぶすほどの脱皮ぶりでございました。
例によって最初はこちらから。
テーブルについて、いろいろどたばたとして、供していただいてからすぐにいただけなかったのは敗因。
我々の場合にはタイミングをちょっとずらしてもらった方がいいかな?
可能なようならお願いしてみましょう!
■ ■ ■
さて、最初に今回の全体的なイメージから。
以前の小田原時代から変貌を遂げていることは肌で感じつつ、その完成度という点で前なら、、と比較してしまうことが多かったのですが、
今回は全く別のお店といってもいいほどの相応の完成度になっておりました。
言い換えれば、お邪魔していた小田原時代が、西村シェフの個人技とのして一つの「極み」だとすると、
京都移転後としての新たな頂きがくっきりと見えてきた、というところでしょうか?
もちろん一般客として食べて外から見ることしかできませんが、それは個々の個性を十分に引き出し、
一つのMAVOという新しいお店に形作ってきた、という印象です。(まったく見当違いかもしれませんが・笑)
もちろん、西村さんの経験なり知見なりで微修正が入っているようなニュアンスも受け取れるのですが、
個々の方向性などが別人の作であることをなんとなく感じます。
これがこれで面白い。 ただ、その分まとめあげるのは相当大変かもしれません。
例えば、今回の一番楽しみにしていたといっても過言ではないティーペアリングなどはその証。
実は「一体どんなもんじゃ?」とたかをくくっての試飲でしたが、いきなりはまりました。
これは、かなりのカルチャーショックとなりました。
さらには新たなパティシエールエの参入によるパイ生地やデセールなどへの味覚の開拓。
前菜も今まで以上に手がかかっているように思え、その小さな一つ一つの完成度が上がっていると感じました。
そして、さらにすごいことに、今回の料理はほとんどが新作だということ。
毎回アレンジを変えて、一つとして同じお料理は出てこないこちらですが、短時間で完成度を上げるのはどんなに困難なことでしょうか?
それがこのクオリティでだされるというのは本当にすごいことだと思っています。
今でも十分相当すごいお店だと思いつつ、人間というのは欲深いもので、ここはもう少しよくなるんじゃないか? という点も
思ってしまいました。
まあ、また次回行くと相当変わっているので、この辺はあくまで旬を楽しむということで。
すいません、冒頭から長々と書いてしましましたが、いやいや相当の「お気に入り」であることには間違なく、
好みはそれぞれなれど私的には安心して人にお勧めできる名店になったと勝手に思っています。
ティーペアリングの最初の一杯は、見た目ちょっと濃い目のビールのようなもの。
説明によれば、数種のハーブ(ベースがルイボスティー)、ストロベリービネガーで風味づけ、炭酸ガスを注入したものとあります。
ハイビスカス、カカオ、ルイボスティーを使っているそうですが、うまく香りが一体となっており、まとまりがあります。
香りは甘さを感じますが、酸味の出るハーブを使っているためか飲んではすっきり。
さらには炭酸も入っているということで食事にもあいます。
ハーブティーなどは入れればいいというものではなく、そのバランスに苦労しそうですが、一体どんだけ試行錯誤を繰り返しているのか?と。
苦労がしのばれます。 この調子がすべて続くわけです。 恐るべし。
こちらは使った茶葉のようです。
最初の一皿の卵との相性もGOODです。
イチゴビネガーの酸味は卵で角が取れて丸くなるようにも感じました。
下の写真中央にあるのがイチゴビネガーで、これはユイリー・ボジョレーズ(Huilerie Beaujolaise)のもの。
(名前から判断できるようにボジョレー地方です)
ちょっと調べてみると20世紀初頭以来の伝統的な製法を守っている精油所だそうで、
昨今品質が上がっていてあちこちで使われているようです。
このビネガーなかなか美味しいかもしれません。
ただ、料理との相性という点ではどうしても料理xワインのような掛け算にまでは至らない印象はもちましたので、
これはアルコールを飲まない方にもこの掛け算を楽しめたら、、と思うところなので、是非頑張ってほしいところです。
>お酒もお茶もどちらも多少は楽しんでいる私とすると、これはかなり無茶な希望かな? とは思う面もあったりしつつ・笑
CHAMPAGNE CHATEAU DE BLIGNY Coeur de Cuvee 1996 Robert Barbichon & Fils
私は、ティーペアリングとお酒のペアリングも一緒に(笑)
最初の一杯はこちらのシャンパーニュから。
ロバート・バルビションという作り手のシャンパーニュ。
こちらは4つの畑から取れる4つの品種をつかったもの、とのこと。
すいません、今回はティーペアリング系が充実してしまって、ワインのほうまできっちり記録として残せず。
なお野菜は、上鴨の野菜。
根菜が力強くなったとのことで、随所に使っているそうです。
卵は20日間ペリゴールのトリュフともに真空状態にして香りを移したものを使っているそうです。
根セロリのピュレ、ミルクのフォーム。魚醤入り。
トリュフは上だけでなく、スプーンを入れると中からもザクザクとトリュフが出てきます。
「最初の卵」のクオリティはいつもながらのさすがの出来。
それが毎回アレンジを変えてだしていただいているのは本当にすごいです。
今回はミルクの優しい風味の後に魚醤なのか?ほんのりとした苦味が感じられます。
個人的には金箔は料理には邪魔と思っている口(ただ偏見)なのですが、こういう美しい一皿のアクセントになっているのを見るのはうれしいものです。
全体の落ち着いた色の皿とトリュフを引き立てる白とさらには金色が映えています。
パンは大阪のものかな?
スペシャル料理
こちらは恥ずかしいことに、Facebook 記念ヒットとしてのお店からのサービスな一皿。
(私としては今更なんで!? と恥ずかしいレベルで)
そして、この料理がすごい!!
キャビアのクラスやサイズ、値段などはあまり詳しくないものの、一つ言えることは私達に一度にこれだけの量のキャビアは初めてだということ。
また、いつもスープなどを供していただいた器をこう横にして出していただけるのも新鮮です。
黒で中が見えないため、写真殺しではありますが(笑)
教えていただいたところ、数種のハーブを使ってあるそうで、レモン、サワークリーム、ブリオッシュの生地?、ナッツなどを使って
あるそうです。
ちょっと明るくして中を見えるぐらいにしてみましたが・・・
おそらく食感や味わいの変化をいろいろつけているようです。
脇にはコンソメキューブを添えられております。
これは後で出てくるコンソメを使ったものだそうですが、詳しくはのちほど。
実際にスプーンを取り出してみてみるとこんな感じです。
ちょっとわかりにくいですが、このスプーンは結構大きいです。
大口をあけて横が入るか入らないか?ぐらいのサイズ。
その分奥行きはないかもしれませんが、山盛りです。
いろいろなアクセントを楽しむため出来るだけ一口でたっぷりお楽しみあれ、、、ということでしたが、一口では無理すぎ(笑)
そして、結果的に是非がっつり行っておくべき一口料理でした。
キャビアの香りや柔らかな食感など、心地よい塩分から確かにその品質が今までのものでは味わったことがないことが感じられます。
(どちらかというクセが独特の風味がありますよね?)
どちらかという皮感が気になったり塩分が強かったりすることがあるのですが、魚卵系の癖がまったくなく、非常にねっとりと口の中に入っていきます。
そして一口でいただくといろいろな味わいが口の中に広がります。
添えられた酸味、クリームのコク、フェンネルの香りなど。
フェンネルの花(かなり特徴的でした)、アマランサスが香り、香りの面でもいろいろな風味を与えてくれます。
ただ、ついついちょとちょこ食べてしまっていた私にはその真価が半分ぐらいは分からず、最後に「がぶっ」と行くとふわ〜と。
あー食べちゃった、と。 料理の華やかさと贅沢さをその一瞬に味わう料理です。
毎回圧倒されますこちらの食材たち。
まずは兵庫県おじろの猪で作った生ハム。 こちらは定番ですね。 まだ皮の張りなどに新しい感じがあるように見えます。
もちろん、この新しい感じで食感や味わいも違うのでしょうね。毎回そこまで意識できていませんでしたが。
そして瀬戸内のボラ。 手作りのからすみ。今年は高かったようですね。 カルバドスで時々拭いているのだそうです。
つやつや。 しかも、でかい。
続くマッチングアイテムはこちら。
お茶は、黒豆茶をベースに玄米茶を入れたもの。 和山椒をクラッシュし煮出して香りづけしてあるそうです。
この日、実は改めて黒豆茶を京都駅の宝泉でいただいて、なかなか美味しいね、と認識しなおしたところだったのですが、こちらにはそれに山椒の風味と玄米茶のうまさがプラスされています。
特に山椒のおかげでしょうか? すっきり、さっぱりした飲みごごち。
香ばしい感じとうまさの調和。 山椒の風味が好きなので、ずるいなぁ〜ぐらいに(笑)
色からは玄米茶の分量は少なさそうですね。
対するワインは、
MACON CHARDONNAY Clos de la Crochette Les Heritiers du Comte Lafon 2004
作り手の名前かわわかりますがコントラフォンがマコンの地に興したワイナリー。
本家と同じく、ビオディナミ、ノンフィルターなどの同じような手法で作られているそうです。
ここにいたって、プロローグって、、一体どういう料理なんだ!?という嬉しい悲鳴をよそに、一つずつそれぞれに吟味された味わいが楽しめます。
私が思う「人が増えてクオリティが維持できてきた」と思うのはこういうところです。
たとえ、一口サイズの料理でもあっても、品数を増えるとどうしても一つずつのクオリティやら吟味が散漫になりがちます。
それがそれぞれに楽しみが詰まった料理になっています。
(出せばいいってもんじゃないので)
さて、右から。
・ からすみと「もものすけ」(生)
からすみはねっとり。 「もものすけ」って桃の新品種だと思っていましたが、赤カブの1種だそうでサラダカブとして開発されたようですね。
いや甘くない面白い桃があったものだと思っていました(爆)
ちょっと調べると、
外皮に切れ込みを入れると、手で綺麗にひと皮むけるそうで、中身は白地に濃いピンク色のサシが入り、クシ形切りにするとまるで桃の果肉のように見えます、とはネットから。
カブはフレッシュさを感じるもので、からすみの対比。 ぴりっとした粉とうがらし(?)のアクセントが面白いです。
一般的なからすみ大根のイメージでしょうか? からすみの塩分優しめなので、このくらいの按配でいいですね。
・いのししのハムで巻いた「もものすけ」
桃のすけは大阪干南のもの(有機)。 桃のすけはすぐとジュクジュクになそうで、確かに塩釜で火入れしたもものすけはぐずぐずに。
それを生ハムで巻いています。 当然、生と違った味わい。 ちょっとひね香のようなクセを感じるのがまた面白い。
・フォワグラのテリーヌ
フォワグラは鴨だそうですが、自家製パンデエピスでサンドしたもの、とのこと。
この組み合わせは定番かもしれませんが、外のもろもろとしたパンドエピスの食感とねっとりとした食感のバランスがいいですね。
写真のように結構パンドエピスの量(比率として)も多いのも秘訣かもしれません。
・グージュールのバーガー
見た目ちょっとジャンクな作りながら、一体感のある贅沢なバーガー。
中にはキントア豚とピクルスが入っており、小さいな一口にもきっちりとバーガーの要素が詰まっています。
もちろんボリュームを求めるものではありませんが、もっと欲しくなります(笑)
・赤カブ、桜大根、青大根
キリリと酸味のある青大根。それぞれに味の載せ方を考えていて細やかな仕事に脱帽。
いいなぁ〜 こういう一皿。 和食の八寸のノリにも似ているのかもしれませんが、こういう味のほうが好み(笑)
兵庫の赤穂の生カキ 小ぶり。 ベニエへ。
こちらがその完成系。 Facebookにも載っており気になっていた一皿が登場。
最初のイメージと異なり、意外に見た目はもったりとした印象のずんぐりもっくり型。
抹茶と青さのり、パセリバターを使ってあるそうで、下にはマーシュ・菜の花・ブロッコリー・寒締めホウレン草と春菊のソース
ベニエの衣はふっくら。 外は薄くさっくりとした食感。
ちょっと厚めな生地だからこその食感ですね。 こういうのは確かにベニエならでは。
そこに、上にのったピスタチオがアクセントに。
抹茶は主張せず、どちらかという牡蠣の苦みと一体化したものとして存在。
合わせたワインは青リンゴの香りとドライさ。
お皿も野菜もいろいろグリーンづくし。
緑色のいも虫っぽく見える外見がキュート。
冬の寒さの中、春を待ちかねるかのようなの鮮やかなグリーン。 味わいとしてもなかなか想像を超えるおいしさにびっくり。
合わせたペアリングは、かりがね茶、バジルとオレガノのハーブを一緒に煮出したもの。
しかし、こういう組み合わせを誰が思いつくというのでしょうか?
お茶自体はクセのない飲みやすいもの。お茶もグリーンで統一。
こちらがその茶葉です。
ワイン
Pulilly Fuisse La verchere VV Daniel et Martine Barraud
ダニエル&マルティーヌ・バローはマコネ地区で1890年から続くドメーヌとのこと。
ちょっと調べてみると、こちらのラ・ヴェルシェールは1995年頃こちらからビオロジック農法を試して、今ではほぼ所有畑をビオにしているそうです。
こちらは食事のもっと前半で見せていただいたものですが、料理にあわせてこちらの場所で掲載。
大地のショーソン、 白菜を低温でじっくり火入れしたものだそうです。
ゆっくり火入れしたことで甘みをねらっているそうです。
ふぐとトリュフを交互に重ねて、パイに。
後で伺ったのですがパイ生地の作成はパティシエールの領分なんだかとか。
いままで、その辺は知りませんでした。 皆さん自分で作っていた方が多かったので・笑
ふぐのアラをあぶって出したジュ。 中には塩釜でじっくり火入れした根菜。
ソースはペリグー風とのこと。
ふぐ、トリュフ、白菜を3層にして重ね合わせ、パイで包んだという贅沢な一皿って、それはこれに限りませんが。
お茶(写真なし?)
濁りのある抹茶玄米茶。
パチェリ(香木)を使っているそうですが。 香木は苦味などはなく、香りのみ乗せられるそうです。
優しいよい香り。
品のある香りが茶の上にきれいに乗っているイメージ。
さて、お料理ですが、まずパイの食感がとても繊細。
また味もバター香控えめであっさり。 それほど強い味わいではなく、フグとのバランスがよく楽しめます。
それにしても、よく小さな一皿が何層にもなっていて、それを切ることができますよね。。
パイ生地の軽さに驚いて少々伺ったところ、、バターで小麦粉生地を包むやり方だそうで元のお店ではこれしか習っておらず、それでやっている、とのこと。
帰ってから調べてみると、”フィユタージュ・アンヴェルセ”または”オランダ式”と呼ばれる作り方(逆折込パイともいわれる?)で、
フランスの有名なパティシエであるピエール・エルメのレシピと同じかとと思いましたが、違ったかな?
ネットで検索するとガレット・デ・ロアの生地や、青木定治氏・弓田亨氏やヴィロンなどで使われるそうで、よく食べられているかたなら、あ、と思う方もいらっしゃるでしょう。
すいません、この辺の作り方は疎くて。
パイ生地もお店やその時の出来で千差万別ですよねぇ〜 しかし、このクオリティは今後が非常に楽しみです。
パイ包み系はかなり好きな一皿なので。
この時のワインは、いつもの定番ではありますが、好きな二コラジョリー。
やっぱりこのワインは欠かせません。
続きましての一皿は、まずは蓋つきで供され、その後オープンされるとこのような一皿が。
この皿の透明感のある色合いとフランの白っぽい色あいと彩りのあす緑黄色野菜と散らされているトリュフ。
そこに綺麗な透明感のある琥珀色のスープが注がれます。
完成系がこちら。
上から注がれたスープは、4回引きのコンソメだそうで、50h、4h、4h、テールをいれて2hだそうです。
下にあったのはユリ根のフラン。
これだけのコンソメですから当然ながら香り豊か。
ただ、これがお茶の香りと寄り添う感じで秀逸。 香りの豊かさに比例した味がリッチ過ぎない感じが非常によいバランスだと思います。
もちろん味にコンソメの豊かな旨みはありますが、濃すぎず、コースの流れを止めてしまわない。
全体の流れにのったもの。 ちょうどよい按配な一皿です。
葉っぱの上にちょっと載っている細やかな野菜が見た目の野菜が味わいと食感などのアクセントに。
このバランス感はスープ(?)の命だと思います。
もちろん、しっかり作ったコンソメの肉をかみしめるような旨さのあるスープも美味しいものですが、こういう引き方も可能なんですね。
料理って本当にすごいわ。
非常に印象的な一皿です。
以前に使っていたデザイン性の高いカトラリーから変えていただのでしょうか? (我々だけ?)
ちょっと無骨ながら、これが手に馴染んでしっくりと非常に使いやすかったので。
手になじむ、、といえば、前にもいましたが、こちらの椅子がいいんですよね〜
こういう目でだけでなく、一つ一つのこだわりがすごいと思っています。
(自分たちに合うだけなのかもしれませんが・笑)
ワイン
Meursault Tete de Cuvee 2011 Francois D'allanes
フランソワ・ダレン。 96年から独立したまだ新しいネゴシアン兼ドメーヌのようですね。
今回は(も?)ワイン系のメモがなく、シンプルに。
この辺、次回こそは、、、
いずれのワインも十分に美味しいものですが、料理との組み合わせとすれば、まだまだもっと美味しくなると思わせるものでした。
かぶせ茶は、玉露と煎茶の間ぐらい。 うまみとほんのりとした苦味。 ガストロパックで抽出したものだそうです。
ラベンダーの花、バジル、ゆずの皮も使って。
香りづけにフレッシュゆずの果汁をちょっとしぼって仕上げたとのこと。
それがこういうマッチングになります。
添えられているものは柑橘のコンフィチュール、ゆず七味。レモン、芹。
こういう魚に柑橘系の組み合わせものに目がなくて・・・といったん私の好みは置いておいて。
イトヨリのフュメ・ド・ポワソンを使ってエビ、芋のブルーテをソースに。
更にブロッコリー、カリフラワーをいろんな食感で。
ご覧のように身はふっくらと。
味わいとしては、何しろ好みのスタイルなので、、、
皮はカリッと、酸味と甘み(コンフィチュール)と苦みが好みのツボ。
せりの苦みも。苦みに一役買っています。
海老芋のブルーテもほどよいぽってり状態で、軽さの中にしっとりとした存在感。
これもパティシエールの一皿かな?と思わせるものですが、またまた秀逸な一品。
「あまおう」の上に苺酢のジュレ。 レンズ豆の蜜煮、カルダモン、お茶のグラニテをのせて。
穂紫蘇、はちみつも。
個性の強い香りもぴっと寄り添い一皿の中に一体感がある素晴らしい。
苺とお茶なんてちょっと思いつきませんよね?
レンズ豆の蜜煮なんて、ちょっと面白いですよね。 あずきの感覚だし。
ただ、あえて言えば、個人的には”リセット”ではないかな? と。
甘さは控えめになっており、料理の流れを壊すものではありませんが、あえて次のメインに備えて、甘めなテイストではないほうが好みだったかな?と。
この一皿は本当に美味しいのですが、位置づけとしてはアヴァンデセールあたりが適切かな?とも思いました。
もっとも、甘いのがやや苦手になってきたという個人的な好みに大きく依存しているだけかもしれません(爆)
いよいよのメインの登場です。
出水のコルベール。 バロティーヌ仕立て。 中にはスパイスのファルス。
フォワグラはいつものと、鴨肉のペースト状のものを詰めて。 そしてたっぷりのトリュフ。
ソース(フォンキャナル)
鴨の腿肉を煮込んだラグーとポテトをクロケットに。
Gevery Chambertine 1er Cru Les Corbeaux 2007 DOMAINE MICHEL GUILLARD
こちらのコルヴォという畑はマジシャンベルタンと地続きで樹齢70年。
お茶はほうじ茶ベース。 マロー(紫の花)をドライフラワーにしたもの(赤いもの)。
クローブ、シナモン、キャビアペッパー(黒コショウの一つ)、とんか豆(甘い香り)
枯れたブルゴーニュワインのような感じがします。
この辺のニュアンスの再現はお見事です。 想像を上回るクオリティです。
シナモンは砕き加減で味変わるといいます。 またタンニンは温度で変わるそうで、そのバランスをどうとって供するか、だそうです。
見た目には濁りが。
そのため、温度下がるとちょっとバランスくずれてくるかな?
それだけに繊細なペアリングだと想像しますし、何しろしっかりとしたジビエに合わせるのには課題もありそう、と今回のティーペアリングでは一番に思いました。
香り高いソースです。さぞトリュフもふんだんに入っているのでは・・?
クロケットの中はなめらかなポテト。 下にはあめ色にまで火入した玉ねぎ。
ファルシーの中は腿肉の赤身のラグー。 味わいはどちらかという甘目、なめらかなフォワグラ、低温でゆっくり火入れたそうです。
トリュフづくしで満喫できる一皿でしたが、肉料理で これ! というのはなかなか難しいですね〜
網取りだと思われますが、満腹加減を考慮に入れてさっぱり目の仕上がりを狙ったのかな?
(どうしても満腹に近いという状態というのが多分にありますが)
ワインは時間たつと落ち着いて寄り添う感じになってきます。
味わいとしては堅実なつくりで好印象。 香り、酸味もしっかり。
3代目の小さなドメーヌとのことでしたが。お父さんがドメーヌを興したので2代目??
飲んだ時のボディありますので、飲み頃はまだまだ先でしょうか? なかなか期待感のあるワインでした。
以前からこだわっていらっしゃるようで、今回初めていただきましたが、なかなかに楽しめました。
甘松(かんしょう:香木の一種)、ねずの実はすりつぶして香りを出したものだそうで、ういきょうの花(ベルガモット)、オリーブ お茶の香りをのせたもの。
調べてみると、甘松とは
中国・インドなどに産するオミナエシ科の草木の葉・茎・根から香分を採取します。
香料としては根が適しているそうで、主な産地は中国の四川省、甘粛省、青海省等が多いそうで、練香・線香を作る材料として市販されている。
とのことでした。
マティーニの味を知る人間からすれば、違和感はありますが、それでもよくその風味をとらえてできていると感心しました。
お酒飲めない方には十分楽しめます。 そのバランス感はさすがの一言。
ネットで否定的な言い方もちょっと見えましたが、本物に似ているかどうかは問題ではないでしょうしね。
十分に楽しめると思います。 素直に賞賛に値する1杯だと思います。
フロマージュもこうきましたか!?というスタイルで。
まだワインが残っているからチーズ、、、という状況ではないのなら、こういうレストランならではのスタイルは私は好きかもしれません。
ロックフォールパピヨン、蜂蜜をちょっとかけて。
ミモレット8カ月、いぢぢく、クランベリー、レーズン。
いい年こいて、誕生日ということで、ちょっと一言添えていただきました。
ソルベ・マンジャリと、シガーは堀川ごぼう、赤ワインととんか豆で煮たものが中と下などに。 それにキャラメリアのクリームで3種のテクスチャになります。
シガーの中はp125(ヴァローナの商品名)と堀川ごぼうがはいっているそうで、シェリー酒のソースが真ん中に。
タマリンドを彷彿とさせるシェリー酒のソースがなかなか美味(というか好み・笑)
マンジャリはソルベ(いや、名前はそうなんですが)だそうで、卵とミルクが入るとグラス(アイスクリーム)になるが、チョコレートを一番輝かせるのはソルベ! だということでこのレシピだそうですが。
恥ずかしながら口どけはソルベとは思えないほどのクリーミー(シャリシャリ感があまりない)でアイスクリームかと思ってしまうほどの濃厚な感じ。
それでいてさっぱりとしています。 ほどよい酸味も生きていて。
シガーは薄い生地でさくっと、、、と書いてしまえば簡単ですが、この繊細は持つとぽろっと崩れてしまうほどのレベル。
これは当然食感に生かされてきます。
更には、ごぼうと赤ワインの感じがよいですね。
驚くべきことには、こちらは私たちの訪問にあわせて、新しく入られたパティシエールがこのサイトを読んで(読まされて、でしょうが・笑)、
ショコラを使って3つのデセールを作れ、という指示を受けて作ったというもの。
恐ろしい。参りました。 すっかりツボりました。
未確認ですが、なんでも元いらしたレストランでは、その場の即興で作ることを売りにしていたところでもありそうですが・・・・
ただ、作られても美味しくないと嬉しくはありませんけど、こちらは参りました。
最後にでてくる小菓子も圧巻でした。
もちろん、種類は以前からあれ以上に増えるわけではありませんが、その工夫などがさらにバージョンアップしています。
写真手前;柑橘ソースを白ワインのジュレでコーティングしたカプセル。マイクロパセリをのせて。
写真中央:山椒のギモーブ。 甘松のジュレを挟んで。
リンゴとバニラのクリームをはさんだキャラメリアでくるんだもの。
カヌレ(赤ワインとシナモン)
黒豆茶のフィナンシェ
抹茶のフィナンシェ
梅のマカロン
とんか豆の黒豆のサブレ
すいません、この辺は持ち帰りにさせていただき、翌日余韻を楽しみながらいただきました。
印象としては焼き菓子ながら、おそらく供されたときのほうが味がよいだろうことが想像できるものでした。
いずれもちょっと普通の焼き菓子とは異なっていて非常に面白いものでした。
最後は、定番になりつつあるコーヒー。 うす皮をつけたまま、天火で干した熟成豆とのこと。
甘みと酸味が特徴とのこと。
この時に2回いただいたのですが、確か2杯目がシェフで、最初の1杯目が茶師の女性に入れていただいたもの。
同じコーヒー豆を使いながら、味の個性が全く異なるものになり、非常に面白い経験をしました。
ハンドドリップは難しく、スキルがいることは知って言いましたが、こう変わるのか?とまざまざとその違いを初めて見られたのは非常に楽しかったです。
好みのためどちらが美味しいというのではないのでしょうが、好みでいえば、シェフがいれたほうがコクがあったようにおもいました。
■ ■ ■
昨年の私と知人の合同誕生日を小田原のお店でしていただいて1年。
ちょっと遠方になり訪問しづらくなりましたが、今回もわざわざこちらにお邪魔させていただいてよかったな、としみじみ。
シェフ、そしてお店のスタッフの方々に改めて御礼。
それなのに、ぐたぐたと小さいことをあげちゃませんよね〜、まったく。 すいません、またお邪魔しますので、その時はまた楽し背ませてください。
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