Point De Depart 「ポワン・ドゥ・デパー」   ★★○  2001. 2






入店




3連休の中日、ふと思い立ってランチへ。 立春も過ぎ、やや温かい日差しを 感じながらの入店である。

12時からということもあり開店直後から入ったがお客は誰もおらず、やや 心配げなスタートとなった。 実際、1時過ぎまでたっぷり1時間私たちだけで の食事となった。 ということで、食事したのは2名にて。


テーブル




サービスはマダムが行うのであるが、非常にテキパキとして気持ちがよい。かつ 気軽に話し掛けてきてもらい、楽しさと温かさも感じる。料理の説明も丁寧でしっかりと 受けられる。

上等である。


阿佐ヶ谷から移転して、今でも昔の常連さんが半分ほどであるそうで、また2001・1月号料理王国の 特集にも登場したこともあり、最近は雑誌をみた、といってきてくれる人も多いらしい。


注文は写真に出た料理ばかりらしいが・・・・


ランチコースは、土日は3500円、6500円(夜と同じ)、10000円の3コースで。 3500円は肉・魚料理のみ、セレクト可能。
今回は3500円のコースを。




注文





食前酒
 

ローランペリエ 1200円

まずはグラスシャンパンを。

グラスは終始リーデルにて。 シャンパンの注ぎは、グラスをテーブルにおいて泡が消えてから 何回か注ぎ足すもの。 う〜ん、もうちょっとスマートに出来ないかね。 泡がもったいないでしょう? ビールじゃないんだから。

さて、ローランペリエは何度か経験してやや苦手な印象のある泡である。さて、今回はどうであろう?

豊かなボリュームと果実味。しっかりとした飲み応えを感じると、後味に鉄分や渋さを感じる。 う〜ん、以前飲んだのは相当コンディションが悪かったものと思えるが、味は類似しており、やっぱり 苦手な部類である。

あ、量はたっぷり注いであり、またグラスもリーデルということもあり、お店としては問題なし、である。


テーブル 






アミューズ
 

有機ニンジンのポタージュ


ポタージュ  ポタージュ



野菜に気を遣っているようである。 他にも有機野菜などの文字を目にした。

ポタージュは、ニンジンの香りはあまりせず、他の濃厚な香りがする。味もしかり。 ニンジンの甘さやうまみは残念ながら、感じられない。  が、かなり濃い目で好みの味である。 かなりの濃度。

食べると、口の中でニンニクの味と香りがガンガン。食欲増進には適当である。

しかし、アミューズって感じじゃないよね?? (量も)
前菜の後に置いてもいいかもしれないような気がする。最初からこの濃さはどうだろう?

また、皿は常温のままであり、すぐにポタージュの温度も冷めた。




パン
 

自家製パン


パン



自家製の焼き立てである。そば粉入りの、全粒粉とライ麦ベースの2種類。
中まであつあつである。 非常にうれしい。

パンとしてはうまみはそれほど感じられないが、料理と合わせることを考えるとまずまず。



前菜
 

前菜の盛り合わせ


盛り合わせ



自家製スモークサーモンと鶏白レバー、パルマ産生ハム、 キッシュロレーヌ、フランス産サラミの盛り合わせである。

どれもしっかりと主張した味。うまい。


スモークサーモンの脂。
レバーの濃厚でありながらねっとりとせず、口の中でとろけるような食感。濃厚な塩分。


・・・・・・・が、これは飽きる。

パンやワインが進んで、好きな目の味なのであるが、フレンチテイストあふれ過ぎで やや個人的には7割ほどで飽きてしまった。 他の方はどうなのだろう??


盛り合わせ  盛り合わせ






メイン
 

牛頬肉の赤ワイン煮


ほほ肉  ほほ肉



こちらも想像にはずれず、しっかりとした味付けとうまみ。 頬肉のほろりとした食感と、これまた濃厚なソースでしっかりと堪能できる。

また、付け合わせのライスも、ほどよい火加減で歯ごたえが楽しめる。何かの 香草がまたちょっとしたアクセントになっている。

しかし、ご飯が中途半端にぬるいのはなぜだ? 冷たいとは言わないまでも あきらかに温度が低すぎて違和感を感じてしまう。


そんなにお客さんがいないのだから、慌てなくてもいいのに・・・・・それともそういうものか?  なお、皿は温めていない。



白身魚とホタテのムース パイ包み


ムースのパイ包み焼き



こちら、本日の1番。パイを切ったときの香りはもちろんの事。ソースが非常によい。 魚の出汁でとったと思われる味わいは、この店の定番料理である魚の裏ごしスープの出来を 感じさせるものである。

また、ムースもしっかりと味が整えられており、パイとソースを付けて食すると 非常に幸せな気分が味わえる。

ただ1点、ソースの温度が低いことを除けば。

どうして、こう画龍点晴を欠く作りをするのか・・・・・・・こちらも皿は温かくない。




デザート
 

盛り合わせ


ケーキ



自家製バニラのアイスクリーム、プラムのタルト、チョコレートケーキ、 アーモンドのタルトの盛り合わせ。

充分、水準以上ではないだろうか? ややアーモンドのパンっぽいところは好みではなかったが、 連れはこれでいい、と。 またプラムのほんのりとした酸味と甘みと苦みのあるたっぷりかかった カラメルソースとも相性はいい。

意味不明なソースをかけるデザートとは大違いである。

バニラはややさっぱり目な感じ。









総評



どうなんだろう? このお店。 サービスもいい、味もいい、でもなぜか 最後の最後で肩透かしをくらうようなこの感触は・・・・・

シェフが不在だったのか?

他、グラスワイン(800円)を2杯飲んで、計12000円。


しかし、3000円を超えるレストランで皿を温めずにそのまま出されたのは 初めてかもしれない・・・・いや、初めてではないのかもしれないが、特に 温度が気になった店である。

なお、この料理群は上記「料理王国」に出ている平日1500円ランチの単なるボリューム UP版であることが帰宅後判明。 う〜ん、ということは同じメニューしか 出してない・・・・・となると、ランチ時の再訪はないかもしれない。

それにどうだろう? コースに緩急をつけてみては?
アラカルトではさっぱりした料理もあるようだが、ランチにもそれを組み入れることは できないのだろうか?


後、1歩でお気に入りになるお店であることは確かであるが・・・・・・・一言。

味付けがしょっぱい。


後は夜だな・・・・