「レカン」   ★★★★  2000. 9






入店




コラムにも書いたが、平日のお昼に。

たまの平日のお昼。 こんなときこそ高級店!

そんな気分でセレクトしたお店はこちら。



もう説明する必要はないだろうぐらいの有名店であり、日本を代表する フランス料理屋であることは口を挟むまでもない。

であるが、コースの選択の幅がない、日曜はやってない、などの条件で、 今まで行く機会がなかったため、ようやくこちらに足を踏み入れた。

以前の記憶によれば、ランチのコースでは一切選択の余地がなかったような記憶があるが、 今回、前菜、メインともに少なくはあるが選択の余地が出来た。これは私のような 貧乏人の食い物好きには嬉しい限りである。 これからも是非お願いしたいところ。

さて、行くほうのこちらとしても、期待が大きすぎるための減点材料もやや鑑み、出来るだけ 冷静な判断を下したい・・・・などと考えつつ、入店する。


予約は、入店10分前。 チャレンジャブルである。


早速、入店するとジャケット着用の指示が言い渡される。 しまった。 忘れていた!!!  一度、家に戻ろうかと考えがよぎるが、ジャケットを貸してくれるという。 とりあえず 一安心であるが・・・・ 

スマートカジュアルぐらい(どんなのだ?)の格好であったのであるが、つい 忘れてしまっていた。 大きな減点である。 

自らのフランス料理屋に対する姿勢を突きつけられたような気がする。
初心忘れるべからず。。。


これから、更に精進するので、勘弁して欲しい。





食前酒は 「グラスシャンパーニュ」

しっかりとした味わいでかなり好きな感じ。 飲んでは割とすっきりタイプ。 よい香りである。 酸味と甘みとコクなど非常にバランスを保っている。 気に入りました。 さて、その銘柄は

  R de Ruinart '95

ちゃんと銘柄を示してくれる上に、しっかりと銘柄を言ってくれる。  さらに早くてよく聞き取れないところが多い中、しっかりと聞き取れる速さでいってくれるのは サービスとしては基本であるが好感が持てる。 初めてであるような気がする。
資料によると、シャルドネとピノノワールとのブレンドであるそうである。 グラスで1500円。
しかし、起床してから初めて口にするのがシャンパーニュ。 これは来た。。。


更にグラスワイン(白)を。


  Pino Auxerrois Jos meyer '97

Jos meyer は好きな作り手であるが、この葡萄はよく分からない。  Auxerrois という品種はアルザスにあるようだが・・・これは Pino Blanc とのブレンドなのか? それとも Pino Auxerrois という品種があるのか? まあ、いいです。 美味しいです。 飲み口はどちらかというさっぱりであるが、香りがすばらしい。 料理に合ったかという とよく分からないが、楽しめた。 色はやや濃い目。


シャンパーニュ ワイン





前菜



料理は、5000円と6000円(スープ付き)で悩んだが、スープなしで。
(ちなみにスープは、冷製かぼちゃのスープ、魚介の温かいスープであった)

料理にプラスαはなく、アミューズもなかったな。。。


冷製コンソメロワイヤル 海の幸とともに

コンソメ



一口目はかなりインパクトが弱い。

ソースはトマトソースとコンソメ。 コンソメはややうまみ弱し。 下にフランが敷いてあって、 上にアナゴ、イカ、枝豆、海老ぐらいであろうか? どれも一塩足りない気がして食べ 進むのであるが、徐々にスープが止まらなくなる。 これは私がお腹が空いていたから であろうか? 

それぞれの素材を一つずつ食べてもそれほどよくないのであるが、
「なるべく多くの素材を一口に頬張る」
となかなか幸せな気分にさせてくれる。なかなかのスターターである。



セップのタルト仕立て フォワグラのベニエと共に

セップのタルト



一口目、ブラボー!!!

香味おびただしいセップ。 それを覆うタルトのポソポソ・パリパリした食感との相性。 上にかかった甘みのあるソース。 こちら美味。 

付け合わせのベニエはよく知らないのであるが、下品にいうとアメリカンドックの皮で フォワグラを包んだような感じ。 食感は好きである。 こちらもフォワグラの定番というべき甘みの強い料理。 それほど感動しないが、フォワグラのとろけるような感じはなかなか。 上物のウニのような感じ。  
しかし、2つとも甘い料理というのはどうであろう?? もう一つ対比を作った方が 面白くはないだろうか??


もう一つの選択肢は「季節のお楽しみオードブル(8種取り合わせ)」であった。 こちらも かなり楽しめそうなメニュでした。




  メイン


明石浦より水揚げされた鮮魚 トマト風味 スープ仕立て

コチ 


本日はコチ、アオリイカ、タコであった。 トマトソースが美味。 下にはクスクスが敷いてある。 魚ではタコが気に入った。 また周辺の野菜が主菜を引き立たせている。 茄子の揚げ物、 茄子の蒸したもの、ズッキーニの焼いたもの、スープをたっぷり含んだ大根、ソテーしたインゲンなど。 同じ調理法を使っているものは一つとしてない。 これが、美味しい。 素材の良さをそのまま感じ られ、好感大。 特に揚げた茄子が・・・・ いやいや美味である。




淡路産ホウボウとニョッキドポンムテール リビエラ風 

ホウボウ


チーズがたっぷりかかった赤いソース(不明)で食べるニョッキ。 こちら嫁さんが大絶賛。  ソースは「あさり」。 魚は普通という感じであるが、こちらもそれぞれ素材を丁寧に 扱ってあり、特にあさりのソースが美味。 魚自体は上記のコチより旨みあり。



もう一つの選択肢は、「和牛ロース肉のグリエ 赤ワインソース レジュール」であった。


パン

パン


こちら、今回の大収穫のパン。 自分で籠から取り出すのであるが、熱い。 バゲットとライ麦のパン。 バゲットは物凄くパリパリ感が強く、湿気など まったく感じさせない、固さの王者。 嫁さんはよくかまずに飲込んだらしく 食道が痛い、とずっと言っていたぐらいである。 ライ麦もこれぞ!! という 程風味がよく、単品で、と言いたくなるぐらい。 食事と合わせるのはどうか、 とも思わないでもないが。。。
とりあえず、うまい。





  デザート



ワゴンデザート

デザート  デザート


ワゴンデザートからのセレクトになる。

左の写真から 栗のタルト、チェリーのアイスクリーム、ガナッシュ、チェリーのタルト
右の写真は オレンジ風味のプリン、モンブラン、いちごのタルト


某ホームページではレカンのケーキショップのケーキで失望したとの記述があったため、期待していなかったが、 なかなかどうして、美味であろう。これ。 お店のケーキと一緒?

かなり好みの濃厚なタイプ

チェリーのアイスクリームはデフォルトであるが、濃厚さのなかにチェリー風味が 生きており、なかなかの1品。ガナッシュは濃い、濃い、濃い、大好き。下のパリパリ感とガナッシュの 舌触りとの対比。 オレンジの苦みの効いた固いといってもいいほどのプリン。 いちごの甘さと 下にあるヨーグルト系のクリームの酸味とのバランス。 モンブランの洋酒が効いた栗の風味。 

これが大した事ないというのはどこのお店が素晴らしいというのであろうか? 最高とは言わないにしても お店のランク相当である。


食後のコーヒーのエスプレッソもオーソドックスであるが、美味。 紅茶はそうでもないようだが。






所感


うわさに違わぬお店である。

以上。 


では、寂しいので、追記。 料理はオーソドックスな感じであるが、クラシックとは思わない。 それほどの重さは感じず、おお、これは!、という驚きはないもののハイレベルで安定した 味。 落ち着いた旨さ。素材の良さをそのまま感じ取ることもできる。 そう、安心して人に 薦められるお店といっていいだろう。 

また、サービスの良さも定評のあるところであるが、気配りは完全であろう。 コーヒーなどなくなると、さっとお代わりを持ってくる、などに始まり、邪魔をしない 丁寧なサービス。 いんぎん無礼な感じはなく、好感が持てるサービスであろう。 気分よく 食事ができること請け合いである。