「L'HABITUDE ラビチュード」   ★★★  2001. 10






入店



かつてのお気に入り「ル・ロアジール」へのリベンジとして、姉妹店のこちらへチャレンジ。 最寄りの駅よりはゆうに5分は歩き、今回下車した駅からも10分以上は歩くというこちら。

こんなへんぴなところにある以上、はずしたら容赦しません(笑)



11時30分オープンということで、45分には入店する。 場所は以前に 店の前まで来て確認済みであったため、迷うことはない。


既に数組の客が食事を楽しんでおり、この辺の住民であろうか?  ラフな格好であるが、あまり若くはない客達。 我々が訪問後、次々と 客は現れ、ほとんど満席になり、早いテーブルは2回転する。


ランチは1000円、1500円、2500円の3コース。 もう1000円、1500円は、同じメニューの中から選ぶコースであるが、 前回の二の舞はこりごりであるため、2500円のコースを選択する。

2500円は別のメニューの用紙になり、これは夜のコースと一緒に なるような気がする。(未確認)
2500円は、前菜、メイン、デザート、コーヒーで昼はサービス料はなしである。


サービスは専任の女性とサポートの男性が1名で切り盛りしているため、 やや遅れがちであるが、割としっかりとしているのが、印象的。
当日用意できない料理なども事前にはっきりと伝えられ、ワインのサジェスチョンも しっかりしていただきました。


オーナーの方針なんでしょうけど、どちらのお店でもサービスは立派です。 ここ。




重いですが、参考まで。 メニュー1メニュー2メニュー3


ごらんの通り、2500円でかなりのセレクトの幅である。 今回は評判の ロティ類が全て素材切れということで、やや注文に苦労したが、このクラスで これだけの選択幅は見事ではないでしょうか?






注文





前菜
 

クスクスと小海老とお野菜のサラダ仕立て 


クスクス 



改めてみると前回失敗したとき同じようなメニューを選んでいる私・・・・・

やっぱり好みなのね。 こんな感じ。 前回、かなりエビで懲りていたのですが、さて 今回は大丈夫なのでしょうか? と危惧をしましたが、結果ノープロブレム。


ソースはバジル風味で他の一皿と同じですが、なんだろう? ややしっかりとうま味の感じる クスクスとエビのぷりぷりとした感じ(極上ではないにしろ)が好感。ちょっぴり効いた酸味もまたいい。


クスクス 



しっかし、下手なイタリアンの安いコースのメインパスタぐらいはあろうかというこのボリュームは 好感である。 こうでなくちゃ。 トマトの角切りなども。 たっぷりの葉っぱ物(種類もいろいろ)にも強気の塩。


そういう思いは、まだまだ甘い物であった。





ホタテ貝とズワイガニのムース エピス風味


ズワイガニのムース  ズワイガニのムース



バジルソースは同じですね(笑)


さて、こちらもかなりの量。 大きさは他の魚貝のテリーヌと同じであるが、なんだこの厚さは。2cm位はありそう。。

食べてみると、この手にありがちなさっぱり感ではなく、かなり濃いめの味。(塩という意味でなく)  生クリームの濃さであろうか? ズワイガニ、ホタテの味もしっかり感じ取ることができ、 トマトとの相性もなかなか。ふんわり、しゅわしゅわとした食感もよい。
今回3人で訪れたが、3人で分けてもしっかり食べることができる分量である。




鶏白レバーのムース ポルト酒の香り


鶏白レバーのムース  鶏白レバーのムース



なんなんだ、この量は!!!!


3人でいくら食べても食べ尽くせないこのムースの量は。
この前菜だけで、最初に出されたパン(各人2個ずつ)をぺろりと。。。 おいおいいいのか!? という感じ。
ゆで卵大のムースが2個盛られていると言えば、およその大きさが分かってもらえるだろうか。

ポルトの香りがレバーの臭みを消し、すっかりいい感じに仕上がっている。 ところどころに干しぶどうが混ぜられており、その甘酸っぱさがレバーと良く合っている。 う〜ん、テイクアウトできないだろうか? これで日曜日に家でのんびりバゲットに載せて食べるのも幸せであろう。

極上とは言えないとは思うが、楽しめる一品。 何匹の鶏が必要なんでしょうか? この一皿。





 

1996 Cotes du Luberon


Wine



4800円。

お店に方に好みを伝えたところ、2本を持ってきてどっちがいいか、と。
こいつの相方はミネルボワでした。 聞くところによるとミネルボワはかなり果実味が強いとか。。。

ならば、ちょっと年も取っているこちらを注文。 ティスティング時にはかなり酸味を強く感じ、 前菜と一緒に楽しんだが、これは冷えた方が美味しいだろうと判断して、冷やしてもらった。


かなり軽めで「すかすか」飲んでしまえるワイン。 ちょっともったいない気もするが、 引っ掛からないというのも悪くない。 好みにはずれる人はだめかもしれない。


飲んではかなり薄く、水?とか聞きたくなるほどに(笑)




メイン
 

ほろほろ鳥もものコンフィー仕立て 白インゲン豆そえ


ほろほろ鳥もも  ほろほろ鳥もも



既に腹7分目である(笑)

注文後お店の方がやって来て、「メインのほろほろ鳥なんですが。。。」と。 えっ?これも品切れなのぉ、と思っていると、 付け合わせの白インゲン豆が切れているとのこと。「付け合わせは何でも構わないので、お願いします。」と告げて、あぁ良かった、ホッ。
やはりかなりアツアツで外がカリッと仕上がったもも肉。淡泊なほろほろ鳥であるがコンフィにすると美味しいのね。やはりコンフィが得意な このお店だからでしょうか。
感動はないものの定番の一品である。 今回はお好みで、マスタードを、と。
ちなみに付け合わせは、ほくほくジャガイモのグラタンでした。

この組み合わせもなかなか悪くない。


ほろほろ鳥もも






仔鴨フィレ肉のエギュイエット ロックフォールソース


仔鴨フィレ肉  仔鴨フィレ肉



今回のメインの中では一番良かったでしょうか?

肉のうま味が十分に味わえる一品。 中はほどよいロゼ色に仕上がり、 フィレ肉の脂分のなさも気にせず、食べることができるのは調理方のおかげか?
フィレ肉のため脂は少な目だが、噛みしめるごとに鴨の美味しさが口の中に広がる。
ソースはブルーチーズの香りと塩分がほんのりついており、鴨との相性もまずまず。

しかし、これもボリュームもたっぷりである。厚い切り身が5枚、いいえ下にもう1枚隠れてました。

ああ、やっぱりローストが食べたい。。。





豚肉のカリカリオーブン焼き 粒マスタードソース


豚肉のカリカリ  豚肉のカリカリ



当初、スペアリブ状のものを想像していたのですが、3枚肉? ロース? 

確かに外はカリカリになっているのですが、味はやはり豚
粒マスタードのソースとの相性は良く、クリスピーな表面の感触も好きな感じ。
しかし、フレンチでメインに豚は避けた方がよいという見解が再び。
(まずいという意味ではなく、あまり面白みがない、という点で)

やっぱり鴨や羊、内臓類などの日頃家庭では味わえない肉が食べたいー!



デザート
 

ガトーショコラ エスプレッソの香り


ガトーショコラ  ガトーショコラ



かなりの濃いめのこちらのガトーショコラ。 見た目はかなりぱさぱさに見えるのであるが、 食べてみると割としっとり目。 そしてヘビークラス。

濃くて甘い。 なんと好みだろうか(笑)


量もたっぷりである。 これとエスプレッソの組み合わせは非常によく合う。。。
付け合わせにはホイップクリームではなく、アングレーズソースがとろーりと。




冷製ヌガティーヌのアイスクリーム仕立て


冷製ヌガティーヌ  冷製ヌガティーヌ



なかなか秀逸なデザートである。 やや安易な組み合わせではあるが。


そして、その量は・・・・・・・・・・

知人曰く、以前あったハーゲン○ッツの「キャラメルなんとか」に似ているって。
甘さしっかりのヌガーと酒がたっぷりしみこんだレーズンがアイスクリームの中に 沢山はいっており、そのアイスの量も盛りだくさん。お皿の上にそそり立ってるという感じ。

3人で分けて食べても、1人分の量は普通の一人分のデザートの量である。 ご立派。



自家製バニラ風味の焼きプリン


デザート



これぞプリンという王道中の王道。
近頃流行のなめらか系とは違い、スプーンですくいごたえのあるクラシックな作り。

見た目はつるりんとしているが、食べてみるとしっかり。  カラメルの甘さと苦みとのバランスも良い。 やっぱりプリンはこうありたいと いうよい見本。

もちろん量もたっぷり。でも、プリンならもっと食べられるぞ、と密かに思ったりして。







総評



ロアジールは健在なり。

久しぶりに堪能した。 フレンチとは言えないがビストロの料理。 しっかりとした味。 強気の塩。 噛みしめる肉。 濃いめのデザート。 どの皿もポーションたっぷり。


近所のおじいちゃんやおばあちゃんまでもやってくる地元密着タイプのお店。 しかし、よぼよぼとしか歩けない年寄りがこんな食事をしていいのか?  と聞きたくなるが、 かなり常連らしい。。 すごい。。 フランス人じゃないんだから。。。


安いコースは一体どうなるのか、心配であるが、2500円のコースはお勧めできる。

リベンジなる。