「ル・クープシュー」   ★★★○  2000. 8






入店



夏休み突入記念第3弾?


またまたフレンチである。 最近はネットでもよくお見掛けする kodaira さん夫妻より 食事にお誘いいただいてのフレンチである。 例によってメニュはお店のお任せ。 はて、さて、どんなお食事に巡り合えるかと期待に満ちての当日である。
今回はディナーである。




注文





食前酒
 

Blanc de Blancs Brut 1995 Delamotte



まずは乾杯の泡、ということで、こちら。



泡 泡 



かなりバランスの良い泡。 さわやかなリンゴとほどよい甘さとコク。  初めてのドラモットである。 ドラモットは1948年にローランペリエに 引き継がれ、年によっては サロン用の葡萄を使って作られるそうである。 いや、それはともかくこれが4000円ぐらいと聞いて、いやびっくり。 ノーマルのNVと価格的にはそんなに大差がないのにねぇ〜 

よいスターターである。 ピノノワール系のシャンパーニュの方が好きだと 思っていたけど、こちらは別ということで。。




さて、泡と一緒に食べ始めたのはこちらの料理群。また、こちらのお店の照明の 関係でやや暗めで見にくいですが、ご了承ください。





前菜 1
 

フォワグラのテリーヌ



テリーヌ 


まずは、いきなり来たな、という感じのフォワグラのテリーヌ。正直 フォワグラのテリーヌは好きな料理のひとつであるが、店によりかなり差の あるこちらの1品。はて、さてどんなかとナイフとフォークにより解体を始める。

ちょっと拡大してみると、こんな感じ。


テリーヌ


いやいや、これがまた、いい。

ねっとりとしたフォワグラの素材の良さも認識できるのだが、それに合わせてあるのが なんでしょう? 食べた感じではプラムと思えるのだが、これが果物の酸味と甘みが フォワグラの脂っぽさを押え込み、最初の一皿として非常に好み。 ってこのプラム (と思えるもの)が好きなだけかもしれないが・・・・・ 食感の対比もよく、 すばらしい一品であると思う。 プラム自体もちょうどそのまま食べても美味しいもので あるように思う。 あまりプラム自体には火が通っていないように思ったのだが、本当の ところはどうだったのだろう? 料理自体は冷たいものであったのだが。 

とにかく良い仕事っぷりである。



前菜 2
 

茄子とイワシの薫製


茄子とイワシ 



続いての一皿、表面に茄子のみ見えるが、茄子をどけるとこの通り。


茄子とイワシ 



こちらもなかなかトータルバランスのいい一品。茄子は素揚げして あるような感じで、味わいは淡白。中のイワシは見事に生臭さを 消しきっており、イワシの方を味をきつめにしており、トータルとして 料理を食べさせるような感じ。 ソースはよく分からなかったが。。 こちらもあっという間に胃袋の中に。



前菜 3
 

オマールのパイ包み焼き



オマール 


皿が運ばれた瞬間から頬が緩みそうになるような香りである。 早速、ナイフで割ってみると更によい香りが・・・・



オマール 


オマールの甘さは堪能できるのだが、いかんせんオマールの量は 少な目。 もちろん、これは致し方ないのであるが ^^); 周りの クリームソースとパイとの相性はオーソドックスなものであるが こちらも充分に「美味」と言い切れる1品。




スープ
 

蕪のスープ


蕪のスープ 


かなり濃い目の前菜が続いた後にややさっぱり目のスープである。 蕪は前面にでることなく、後味に蕪が残る程度。 全体的には かなりミルキーな感じ。 この一皿単体として考えると あまり印象的には強くないが、コースとしての流れを考えると これでよいと思う。 これこそ、メリハリ。

と思ったのだが、上に乗っているコンソメのかたまりはかなり美味であった。 既に食事中に指摘があったが、もっと細かい方が確かにいいと思う。 スプーンにスープをすくった時に、小片が1つぐらいが入ると嬉しい。

しかし、このコンソメゼリーは旨みのかたまりであった・・・・・



メイン
 

スズキのポワレ 赤・黄ピーマンとトマトのソース


スズキのポワレ 


夏の魚らしく、スズキである。 こちらオーソドックスに皮はパリパリに、 中はほどよく火が通っており、まずまず。ソースはピーマンの甘みが物凄く強い。 トマトは正直良く分からなかった。 サフランの風味があったらしいのだが、私は判断付かず。 ちょっと飲み過ぎ状態にあったかもしれない。

あえていうのであれば、ちょっと甘すぎたような気がするが、嫁さんはそうでもなかった とのこと。 全体のレベルから考えるとやや残念であるが、もちろん悪いことはまったくない。





鴨のオレンジソース


鴨のオレンジソース 



なんとオーソドックスな組み合わせであろう、と思いつつ、実は初めて??  とか思ったが、以前に他の店で食べているようである。(前回は悪印象)


さて、こちらの1品。 鴨ってオレンジにあうねぇ〜 と改めて思わせるもの。 鴨自体も肉としてしっかり味を持ち、ソースとの相性をしっかり確かめられる。  中に詰め物をしてあるが、こちらはちょっと味としての主張はなかったように思う。

しかし、今回特筆すべきは付け合わせのポロネギと思しきもの。 一口目 パイナップルのエキスを吸い込ませたのかと思うほどの苦みと甘み。  後から冷静に考えるとオレンジの風味も充分にあり、どうやらオレンジ成分を 凝縮しているような印象。 これが皿全体を引き締め、かなり印象的な 一皿に仕上げている。 


付け合わせ一つで印象は大きく変化。これ、あるとないとで全然変わりますよね。。




ワイン
 

Condrieu 1996 Robert NIERO


コンドリュー 




申し訳ないが、手持ちの資料では掲載されていない作り手。 抜栓当初は 日本酒かと思うような香りがほんのわずかに。 しかし、時間とともに開き コンドリューと思わせるアプリコット系の香り。 やや甘味は少なく、 酸味が強い果実を思い起こさせる。 ちょうど最初のプラムのような 感じだろうか? もともとそれほどコンドリューの経験がないのだが、 想像していたほどのヴォリュームはなく、夏向きとしてすいすい飲めて 好印象な1本であったように思う。





デザート
 

デザートのあり合わせ


デザートのあり合わせ 


もうかなりお腹いっぱいだったので、今までほどの好印象はなく、普通の 1品であった。 それより味見させていただいたガトーショコラをベースにして マールとキャラメルを使ったデザートは苦みと甘みがよく、かなり好みであった。
次回はこちらでお願いしたいところ。







総評




かなり好印象の皿が続いた今回。 1品1品驚き、というか 印象に残る「なにかしら」があり、全体として飽きさせない構成に 仕上がっている。 これぞプロの仕事といっていいだろう? どうして、他のレストランでこれが出来ないのであろうか?

あれ・・・・やっぱり原価率が違うのかな??? 


ワインはいつものことながら、ごちそういただきありがとうございました。


 かな〜り満足度高し