カアンジェリ Ca Angeli    ★★  2001. 5






入店




野菜のうまいリストランテがある。・・・・・・・・・・・・・それは私にとっては 魅力的な響きである。 

日曜はやっていないと言うことで、なかなか訪問する機会がなかったが、とうとう行くことが できた。「料理王国」などのあらゆるメディアで野菜を売りにしている。 かなり 期待入っちゃっているのである。


やや、店の場所に悩むも、なんとか到着。 時間は昼1:30である。  やや遅めのランチである。 当然予約はしてあるが・・・・


入店すると意外に広い。 あまりメジャーではないと勝手に思いこんでいたせいか、 こじんまりとしたお店を想像していたのだ。 が、結構広い。


既に、ほとんど満席で、正直にいって「うるさい」。


なんという「ありがちな客層」であろうか? 有名雑誌を見てきているかのような客層である。


この瞬間かなり嫌な予感が走る。 この手の客層を持った店であたったことがない。


テーブル



気を取り直しつつ、メニューをみると、1600円、1800円、2500円、3500円とある。 2500円は、アンティパスト、パスタ、メインからなり、パスタ、メインそれぞれ4種から選べる。

詳細は、こちら(重いです)。メニュー1メニュー2メニュー3メニュー4メニュー5




注文





テーブル






パン


パン


小さめのパンであるが、なくなるとすぐ代わりをもってきてくれるのはかなり良い。 特にそのあたりの目の行き届きがよい。 その上にサービス料が取られていなかったのは 驚いた。

しかし、パンはなぜだろう? やや焦げた感じからなのだろうか? 
焼き餅の風味がする。。。。なぜ?(笑)

タイミングがよければ、温かいものを持ってきてくれる。 でも、パンは普通な感じだろうか? ややしっかり目であり、もちっとした食感、 塩分もしっかりしている。





アンティパスト
 

アンティパスト野菜


野菜 


・ 枝豆のバルサミコ和えとモッツァレラ、牛タン
・ 花ズッキーニのフリット
・ ズッキーニのマリネ


野菜  野菜


枝豆はバルサミコの甘さと酸と歯ごたえでまずまず。 しかし、この後連続して食べる モッツァレラには後半飽きがきてしまう。トマトは甘くてなかなか。 花ズッキーニは揚げたてであり、その歯ごたえもよく素直に美味しい。 軽い塩味でズッキーニの甘さが引き出されている。 ズッキーニのマリネも干しブドウの甘さが印象的でまずまず。

しかし・・・・・・・野菜の旨さはあまり感じない。 もちろん悪くはないのであるが。。。 いわゆる野菜の甘さや苦み、香りが感じられないのである。 私的には正直普通。





アンティパスト盛り合わせ


盛り合わせ  ズッキーニ


・ ジャガイモのローストとソーセージ
・ ホタテとしまらっきょ
・ ズッキーニのマリネ


ホタテ  野菜


ズッキーニは先ほどと同じ。 ジャガイモのローストも普通であるが・・・・
イタリアンのアンティパストは冷菜が主なんでしょうが、 ジャガイモのローストなんかは温かい方が美味しいと思ってしまう。

ホタテ、ソーセージはいただけない。 ホタテはあまりうまみがないし、ソーセージに至っては ややクセがある、とは嫁さんの弁。 私は気にならなかったが・・・





パスタ
 

ワタリガニのリングイネ


リングイネ  リングイネ


一言、かなり臭みがある。 生臭くて私は全然だめ。 ちなみに嫁さんは あまり感じなかったと言うから、個人差もあるんでしょうけど・・・・・

リングイネの食感はかなり好きである。 うどんっぽくて(笑) パスタの湯で加減はちょうどよかったかな。歯ごたえが残っていて。


う〜ん、別のソースがいい。 トマトはかなり甘みが強い。途中で飽きてくる。






揚げなすとモッツァレラのトマトソース


揚げなす  揚げなす


揚げなすは揚げたてでよい。ふんわりと揚がっており、口にいれるととろけていく。 モッツァレラも熱でとろとろになりパスタによくからむ。 ソースはこちらの方がよい。 またパスタもまあまあか?





メイン
 

鮮魚とズッキーニのソテー 黒オリーブ風味


むつ  むつ


鮮魚はくろむつ。 まずまず、といったところだろうか? 黒オリーブのソースと魚の相性。 ズッキーニはもう驚きがない。


他の肉のメインがあまりに惹かれないメニューだったので、魚にしたのであるが。。。想像通り、見た目通りの味である。





スズキのガーリックグリルとサンマルツァーノのオーブン焼き


スズキ  スズキ


う〜ん。。 これはちょっといただけない。 まず付け合わせのトマト。  甘みが強く、いい加減トマト味ばかりで飽きてきた。 そしてタマネギ。 グリルしたせいか こちら強烈に甘い。

そして、この甘さのおかげで猛烈に飽きやすい一皿になっている。
野菜の甘さは好きだけれど、トマトなんかは甘みと酸味のバランスが大切だと思うし、付け合わせの野菜なのだから、 メインの魚を引き立てるように、もう少し控えめな存在であるべきだと思う。

スズキは身が厚く皮の食感がもちもちとして・・・おいそうなんだけど、なんか口に合いません。 どうしてだろう?? 



たまねぎ  とまと






デザート
 

コーヒーのムース


コーヒーのムース


コーヒーの風味が強く、まずまずではないだろうか?生クリームが多いのか少ししつこい感じもあるが。
アングレーズソースは子供の頃に食べた「たまごアイス」の味に似ているかも。ソースはなくてもいい。



カプチーノ


締めはカプチーノ。 量はたっぷり、泡もたっぷり。味はよくわかりません。カプチーノってあまり 経験ないので、これがどうなのか?判断つきません。







カアンジェリ 





総評



一言。 がんばっているのではないだろうか? 私が求めるコンセプトとは一致していないので 評価は悪いが。。。

一番廉価なコースが1600円から用意されており、それで全て皿はリモージュ、グラスはスペギロー、 そして丁寧なサービス。 明るくフェミナンなインテリア。 そして表参道という立地。

お昼にはサービス料を取られないにもかかわらず、椅子を引いてくれるような対応は 記憶にほとんどない。


これらを考えて、料理における原価率は見えてこないだろうか? そしてソースでごまかしが きかないイタリアンにとってそれは致命的なものとは言えないだろうか? 


とすれば、あまり期待してはいけないのではないだろうか? 実際に、客層を見ても明らかに そう思わせるし、しかたないな、と納得してしまう。 20代前半とおぼしき女性が7〜8割に及び、 またその話声で店内はあふれている。 

そういうお店である。


野菜がうまい、ということであるが、あまりそういう評価はできなかった。 確かにメインに比べれば 一番アンティパストが良かったけれど。 そして、味がコースの中で重なりすぎ、もっと緩急が欲しい。 これは素材とは関係ないのであれば、改善の余地があるのではないだろうか?


全体的に飽きやすい味が続く。セレクトが悪かったとは思わない。パスタのほとんどはトマトソースベースであり、 全体的にトマトを多用している。そしてトマトは甘みが非常に強い。最初は美味しく感じるが、それが続くと飽きてくる。
なお、当然のことながら、皿の温度は室温である。


最後になったが、グラスワインの白を頼んだ。 軽めとミディアムボディーがあるとのことで 両方とも頼んだのだが、どちらもなかなかのセレクションであり、ソムリエの眼力には期待していいと 思う。 周りを見てもあまり飲んでいる人は見受けられないので、非常に残念なことでないだろうか?  もっとワインの出るお店に・・・・   800円と1000円。 



カアンジェリ