「Tak Wing 徳栄」   ★★★★  2001. 8






入店



香港系のとある掲示板で知り合った方と香港でミニオフミ、 というかいろいろアレンジしていただきました。  なかなか味わえない素晴らしい食事会でした。


いろいろな情報を教えていただきましたが、差し障りがあるような事も多いので・・・・ ここはばっさりと省略させていただきます。


場所は、こちら。 福臨門のスタッフなどが独立して出したお店のようなので、 得意はもちろん、フカヒレである。 そして、今回のメインの目的も、それ、である。





注文





食事
 

焼き物ほか前菜


前菜  クラゲ



チャーシュー、焼鴨、ピータン、くらげの4種盛り。

まずは、クラゲである。 かなり太くて上物であることが分かる。 実際食べてみるとその歯ごたえも非常に美味しかった。  ただ、明日はこれ以上のクラゲをアレンジしていただけるとのこと。  これは非常に楽しみである。


鴨  ピータン



鴨は、かなり皮がクリスピーである。 こんなにクリスピーなのは初めてかもしれない。  ただ肉は多少塩分が強い感じもしないでもない。。  後半ややつらい感じがしたのはちょっと残念。


そして前菜で特筆すべきは、ピータンであろう。  ピータンの白身にあたる部分がやや紅茶のような透明度をもっているのである。  そして、中の黄身に当たる部分をみよ! なんだ、このとろとろ感は。  話によると、これが本来のピータンのあるべき姿なのだそうだ。 う〜ん、これは見事。


そして、これを口に頬張るとものすごいピータン香が口の中に広がる。。。。 すごい、すごいすぎる。 ものすごい爆発力である。  これはピータンofピータンであろう。 是非、これは食べてみて欲しい。  ただ・・・・・ピータン嫌いな人には絶対に無理。 ものすごいから。


本来なら、こちらのピータンはシャンパンに合わせて用意していだいたものらしい。  すみません。もうお酒はいらかなったんです;; 本当にすみません。
ピータンとシャンパン。。。一体どんな組み合わせなんだろう?  非常に興味ありませんか? これ。

正式名称 : 併盤(クラゲ、ピータン、又焼、焼鴨)




エビゆで


エビ  エビ



う、多い。 大丈夫か、こんなスタートダッシュで。  前菜の焼き物も結構合ったのに。。 などと心配しつつ、こちらのエビ。  結構いいのである。

結構いいのである、というよりかなり良い。  そう、先日食べた酔っぱらいエビより遙かに上等。 殻を剥くと飛び出す汁。  殻毎食べてもよい、ということでしたが、今回は全体の量をみて控えてみましたが。。。多分殻ごとかぶりついたらおいしいでしょうね。 お腹に余裕があれば食べたかった。。

エビの甘さ、ジューシーさといい、これは結構なエビです。  12両(450g)で300HK$。


正式名称 : 白灼蝦 12両(ゆで海老、約450g)




フカヒレのスープ


フカヒレ  フカヒレ



最高級のフカヒレスープである。  本日のコースの費用の半分以上をこの1品が占める渾身の一品。 


フカヒレ自身に味はない、それは知っている。  だが、一度も食べずしてそれを判断するのは早計ではないだろうか?  そう思って早2年近く、最高級のフカヒレを味わう機会を得た。 果たしてその実体は。。。


スープは綺麗な赤色がかった赤酢のような感じであるが、 かなりよいスープであることが香りから感じ取れる。  見た目は透明なモヤシのような感じ。

食べてみるとツルリんとした感触と歯に心地良いような食感を感じる。  太さはかなりある。 なんだろう、あえて例えてみるならば、 ところてん、海草、冷麺などに通じる食感であろうか? (う〜ん、似てない・・・・)

スープは明らかに上等な奥行きを持ち、陶然させるにたるものであるが、やはりこれは食感命。  ツバメの巣同様、中国人が好む食感なのであろう。


私的には、素直に美味しい、が、この値段は難しいかな? というところだろうか?  なお、銀座の超有名高級中華料理店で同様のものを食べると・・・・だそうです ^^);


また同じ高級料理でもこちらのお店ではアワビはあまりおすすめではないようです。 一応ご参考まで。


正式名称 : 紅焼頂群支羽 3位(最高級ふかひれの醤油煮込み)




伊勢エビのぶつ切り、トウチ炒め


伊勢エビ  伊勢エビ



トウチ炒めってもっと濃いものを想像していましたが、かなりあっさり目だったのですね。  知らなかった。。 伊勢エビのプリプリ感と甘さ。 細かく包丁が入り、トウチの香りも高く、 味がよく絡んでおります。 コメントは少な目ですが、これも上等な仕上がりでした。

ショウガが入って、夏向きな一品を演出しているのでしょうか?
  赤いのはピーマン?


正式名称 : [豆支]汁龍蝦球(伊勢海老のぶつぎり黒豆ソース炒め)




地鶏の揚げ物


地鶏  地鶏



あまり肉は無い感じで、鶏なので身は白っぽい。  油を100回かけることで完成するこの手の料理は日本ではほとんど見かけない。  かなり好きな系統の味なんですが。。。 それにしても、ちょっとこれは塩分が強い。 骨の回りの肉が美味ということはよく聞く話であるが、これもご多分にもれず、その通り。


しかし、前菜と同じで皮がパリパリでなかなか良いのであるが・・・・肉は塩分が強すぎて、 ちょっと遠慮がちになってしまった一品。


正式名称 : 當紅[月危]皮鶏 半隻(地鶏の揚げ物、半羽)




マッシュルームの蟹ミソあんかけ


マッシュルーム  マッシュルーム



こちら蟹の濃厚な香りが素晴らしい一品。  蟹の身は濃厚で量もたっぷり、そして「つぶつぶ」がその色とさらなる濃厚さを引き立たせている蟹の卵。  特にこの卵の食感と卵に歯を入れた瞬間の濃厚さが何度も何度もかみしめたくなる。 くせになる一品。ついつい黄色い蟹の卵だけををつまんで何度も味わってしまった。


マッシュルーム・・・・ってよく見かける普通のマッシュルームとは違うようですが、 食感がまた異なっています。 そして、多少キノコにほのかな苦みがあり、 キノコに歯をいれると水分(?:ソースや出汁ではない)がでてきてちょっと好みではない。

蟹ミソを堪能した一品だった。


正式名称 : 蟹黄[才八]鮮[草冠狐](マッシュルームの蟹みそあんかけ)




福建炒飯


福建炒飯  福建炒飯



なめてはいけない一品。 一言でいうと「あんかけ炒飯」なのであるが・・・・


それぞれの素材が引き立ちあい、さらなる美味になっている一品である。  干し貝柱や干し椎茸の旨味成分と食感、外がカリッと香ばしく炒まっていながら、 彩目に小さく切られた鶏(豚?)が香ばしさを、アスパラの輪切りの歯ごたえ、 そしてご飯に絡まった卵の濃厚さ、これはまじで美味しいよ。。 


前回食べたのとは大違いです。はい。

そう、この卵がご飯それぞれに絡み合い、卵の香りが香ばしく感じられる。

お腹がいっぱいだったので、1杯しか食べられませんでしたが・・・・


正式名称 : 福建炒飯(福建風の五目あんかけごはん)




デザート
 

マンゴープリン


マンゴープリン



一口目にうまい、と一言。

だけど濃い。 果肉は少なく、そして酸もあまりないが、甘みはちょっと強すぎる。 ミルクはなくてもいいぐらいであるが。。。


このミルクはなんだ? かなり濃いぞ。  ミルクの色がかなり黄色なんだが・・・ このミルクがはっきり言ってうまい(濃いけど)。

濃いマンゴープリンと濃いミルク。  全体としてちょっとバランスが悪い感じがしないでもないが、これはこれで美味しい。


そして、そう、この黒いシェル型の器に黄色のマンゴープリンという配色が気に入った。 ガラス容器の涼しげな感じもよいが、どこかエロティックさを感じさせるこの配色で私は脱帽。

8点



正式名称 : 香[草冠亡]凍布旬 3位(マンゴープリン)




エッグタルト


エッグタルト



エッグタルトのカスタードはやや透き通っているような印象さえうけ、 特にカスタードがなかなか美味。 外側の生地が珍しい感じ。  ホロホロと崩れるような感じは似ているのであるが、ややしめっているようなクッキー、 いや、違う。。 しっとりという感じなタルト生地か? うまく表現できない、が気になった。

なかなかの良品。



正式名称 : 蚤[才達]     1位(エッグタルト)




揚げゴマ団子


揚げゴマ団子



サービスで頂いた物。 これはショッキングなぐらいに美味。


外側は白ゴマが香ばしく、アツアツで供された。  口に頬張ると中からアツアツと黒ゴマペーストがあふれでてくる。  甘みと旨味と香ばしさを伴ったこのペーストは、 なめらかさとほのかなとろみ(気のせい?)を持ち、食感的にも外側の白ゴマと対比されて非常に興味深い。


これは1食の価値あり。









総評



かなり空いていた。 当日は平日の夜であったのであるが・・・・・なぜ?

サービスもこんな頻繁にタオルを交換してくれたことは初めてであるのに加え、 味もかなり上等である。 ただ・・・・顔が効いていたせいもあるかもしれない ^^);   手持ちの2000年度レストランガイドでは、タイ・ジャケット要であったのであるが、 2001年度のガイドではスマートカジュアルになっている。。。


そして、あろうことか、我々以外の客は2組だけ。(個室は別にあり)。  かつその一組は食事後にトランプをやっている。う〜ん、いいのか??


食事のレベルはかなり高めであり、焼き物の塩分が個人的には気になるが、 それ以外はハイレベルで安定しているようである。


そして、今回、拍手を送りたいのはこのアレンジである。  実際他のレポートを見ていただければ、私たちがこんなに食べられるということはかなりレアである。  コースの組立としてフレンチ(薄→濃)とは異なり、濃淡を繰り返す作りにするそうであり、 お見事な手腕である。


実際、こんなにも食べてしまうとは想像もしていなかった。  かなり苦しい展開になると予想していたのであるが・・・・ただ、これで限界ですが(笑)


そして、いろいろな楽しい話をしてくださって本当に楽しい夜を演出してくださったHIRO様に感謝!!