「欣圖軒 Yang Toh Heen 」   ★★★★○  2001. 8






入店



香港系のとある掲示板で知り合った方と香港でミニオフミ第2段。  計3名。旧ライチンヒンには顔がきくと言うことでスペシャルなメニューを用意していただきました。  う〜ん、こんなに皿数食べられるかとやや心配になりましたが、なんとか制覇。
現在も同じ旧ライチンヒンとメンバーでやっているようそうです。


それにしても、これで当分香港グルメとはおさらばです。  豪遊しまくってしまい当分自粛生活が続きそうです。


まずは、こちら、インターコンチのロビーに集合し、さっそくディナー。 メニューは予め国内から決めておいてもらっている物。 さあ、どうぞ。



テーブル



う〜ん、しかし、顔が効くとは言っても、黒服のサービス陣全員が挨拶にきて名刺をおいて行かれても困ってしまいます ^^);
写真は、楊料理長と支配人です。 食事前に挨拶していただきました。


Manager



なお、数年前に一度お昼に来て、かなり残念な思いをして帰ってきたことがあるのリベンジを含めて挑戦です。 こんなに挨拶にこられてしまうと期待しちゃいますよね。。




テーブル  テーブル



前に来たときと同じ様な翡翠のテーブルセッティングである。翡翠は毎日全部数が揃っているか、 チェックしているようです。 





注文





食前酒
 

モエシャン


モエシャン



まずは食前酒としてこちらを。 そう、昨日食べ損ねた組み合わせであるところの ピータンとシャンパーニュの組み合わせを試したくて。


さすがに香港、というか。 グラスへの注ぎッぷりはお見事。  そしてシャンパンはモエNV。 いつもながらに、表情の無いというか 印象の変わるシャンパンであるが、しっかりとした酸とボリュームが感じられ、 なかなか美味しくいただけました。さて、ピータンとの相性は・・・・後述。

まだこの時間は、外からの明かりがふんだんに入ってきて気持ちよいです。 暗くなってくると 照明の関係で写真があまり良く写っておりませんが、ご了承ください。





アミューズ


アミューズ  アミューズ



アミューズとしてこちら。 
とはいってもシャンパーニュとはタイミングがずれて単体勝負で。 あ、美味しい。  皮のパリパリとした食感とピータンの薄切り(黄身が大きい)とショウガの風味が1アクセントとなり、 口の中でいろいろな味と香りが広がります。

う〜ん、うまい。





食事
 

ピータンとクラゲ


ピータンとクラゲ  ピータン



事前にこちらのピータンはあのとろとろ状態ではない、とは効いていたが、 なかなかのとろとろ具合

口に含むと最初に軽めの香りがきて、あとからどかーんとピータンの香りが爆発。  昨日ほどではないにしろ、結構な迫力である。


そしてあとからシャンパーニュを一口。 あ、これはうまい。 
最初に一瞬生臭さが広がって、大丈夫か?と心配したものの、後から旨味が徐々に広がってくる。


これはうまい!! こんなにも旨味を増幅させる組み合わせってそんなにないかも。 という感じ。

それにピータン。。 もしかして、これって今後いろいろ試したくなる感じです。
 

でも、あんまり前菜のメニューで見かけない気がしますが・・・??




クラゲ  しょうが



クラゲは事前に言われていたとおりの太さである。  太さは均一ではないものの今までに見た中で一番の太物である。 お見事。  歯ごたえも心地よく、絡んでいるソースも十二分によい。 


そしてピータンに付け合わせの定番となっているショウガがまた侮れない。  甘酢漬けになっており、それがさっぱりしていながら、ショウガの辛さ、 甘さなどでスターターにピッタシ。 そして色合いも自然な色あいで好感である。


普通は、紅ショウガとかが多いらしいけど。


正式名称 : 皮蚤併海[折虫](ピータンとクラゲの前菜)




北京ダック


北京ダック  北京ダック



で、伝説の北京ダックである。 二人では多く、さすがに食べきれないと思い、 注文したことがない噂の品である。国内での試食経験はあるが、 はっきり言って食べたなどと恥ずかしくて言えないようなところばかりであった。


しかし、とある知人は香港へ来ると必ず北京ダックを食べ比べているという・・・ さぞかし美味しいのだろう。 是非、確かめてみたい、と思っていた物。


さて、実物が来ると、うむ、なかなかにでかい。


それを取り分けてくれて、各人に持ってくれる。 それを馴れない手つきで包む私たち。  そして、一口。。。。しばし無言。。。 うまい。 これはうまい。

もちろん、うまいとは言っても他店では食べてないので、厳密に語る事は出来ないが、 ソースの甘さ、皮のクリスピー感と脂分でありながらそのさっぱり感。  そして一緒に包まれたネギと唐辛子(辛くないものとのこと)がワンアクセントとなっている。


そして、また回りのピン(?でしたっけ)がうまい。 固すぎずにやわらか過ぎず、 ソフトに包んでくれる。


これは今年のベスト5の一つに入るでしょう。


正式名称 : 北京片皮鴨(北京ダック)




五目冬瓜のスープ


五目冬瓜  五目冬瓜



銀の器に盛られた一個丸ごとの冬瓜。


こちらも写真では見るが、なかなか2人では頼めないのでお初の体験。  さて一体どんなお味か・・・・なんでも4時間以上に及ぶ加熱により 完成されている模様らしい。 


それでも一人100ドルちょっとは一体全体どうしたことか??


さて、お味の方は・・・・・はっきり言おう。 これも今年のベスト5に入るでしょう。  久しぶりに食べた時に、鳥肌がたった。 これは数年ぶりぐらいである。


まずなんと言ってもとろとろになって口の中でとろけるような冬瓜のなめらかさと、 たっぷりスープを吸っているので、とろけながら味が奥底からにじみ出てくる良品。  もちろんスープは、料理の命。  乾物などの旨味成分や肉や野菜などの滋味あふれる奥行きのあるスープ。  これが中華料理だ。




五目冬瓜  五目冬瓜



具となる肉や野菜はそれぞれが完全に食べ頃の火の通し加減で、歯ごたえ、 旨味などそれぞれがそれぞれの持ち味を主張し、バランスを取っている。  五目などとは名ばかり、一体いくつ入っているの??

これは脱帽です。


正式名称 : 冬瓜[中皿](五目冬瓜のスープ)





魚の浮き袋となまこと湯葉の醤油煮込み


浮き袋  浮き袋



これも負けず劣らずよい。


湯葉のシャキシャキとした歯ごたえと、なまこの柔らかでいてツルリンとした食感。

浮き袋の食感もアクセントではあるが、やっぱり料理の要は出汁となるスープである。  これは醤油ベースであり、やや乾物系の香りがするものの、あまり気にならずに、 これでご飯が食べたいと思わせる良品。


しっかりとうまい。


正式名称 : 花膠遼参鮮腐竹(魚の浮き袋となまこと湯葉の煮込み)






車エビのゴマとマヨネーズソース炒め


車エビ  車エビ



美味しい一品。 であるが、やはり今までの料理の流れからするとやや残念な一品。  かなり大きい車エビで、一度揚げているのか、外はカリッと中はふっくらとしていながら、 食べ応えがある一品。


であるが、かなり外のソースが濃い。 マヨネーズの酸が香りとして良いのであるが、 いかんせん、強すぎてエビの甘みや旨味をひきだせていない。  エビは食感だけしか楽しめない。


こってり系が好きと言うことでアレンジしてくださったのですが、やはり中華という領域の範疇外という印象。


正式名称 : 沙丹芝麻蝦(車海老のごまマヨネーズソース炒め)






ナポレオンフィッシュの蒸し物+ご飯


蒸し魚  蒸し魚



500gぐらいらしい。 魚の蒸し物も初めてです。やっぱり2人では難しいでしょう、 この手の料理は。。 写真左上はとりわけてもらっている最中です。


さてお味の方は予想通りのゼラチン系とスープの旨味である。 口の中でとろけるような魚の白身も (同じ高級魚の一つであるネズミハタは口の中で熔けないらしい)さることながら、 頭やしっぽ(や胸鰭)などのゼラチンをそぎ落として食べた時の美味しさは絶品。  口の中にツルリンと流れ込み、そしてスープをたっぷり含んだその味は確かに高級料理であることを実感させる。


一番美味しい「頭」の部分を頂き、存分に楽しませていただきました。  特に唇(しかし分厚い唇である)や頬肉、目の回りの肉、皮など頭の中を分解し、 骨までしゃぶり尽くしてしまいました。




蒸し魚  蒸し魚



残った汁をご飯にジョボジョボかけて、かき込むご飯もまた格別である。


正式名称 : 清蒸海蘇眉 500g(ナポレオンフィッシュの蒸しものと白飯)





鴨肉のレモンソース キウィ添え


鴨肉  鴨肉



鴨肉は上記、北京ダックで使った肉で調理されたもの。  鴨肉は割とぱさぱさして旨味がないのかと心配していたのであるが、 そんなことはまったくなく、鴨の肉を十二分に楽しめた。 皮も少し残っていたし。


ただ、ややソースがちょっと濃すぎたかな?? 全体の流れ的には最適なのかもしれないが。。  使われたレモンのソースは甘酸っぱい系である。 う〜ん、これもマヨネーズ系の味に 似て組み合わせにあまり中華を感じさせない。 

ただ、この段階でややお腹いっぱいだったので辛口コメントかも ^^);


正式名称 : 檸汁奇異鴨(鴨肉のレモンソース、キウィ添え)




干しエビとニンニク入りの「草冠に見」菜の上湯浸し


野菜  野菜



前のレモンソースかけのあとにデザートではさすがに相性が気になるということで、 こちらでリセット。 とはいいつつお腹はかなり一杯でした。


夏の旬の野菜の一つである、この野菜はほうれん草の1種らしく、 炒めた後上湯をかけて塩味を追加している、とのこと。
食べた食感は京野菜の水菜に似た感じ。


野菜のシャキシャキした歯ごたえと干しエビの香りと出汁の旨味を野菜が 吸ってなかなか魅力的な一品に。 ただ、上にたっぷり載せられた戻したエビは 歯ごたえも好みではなく、これは彩りと考え、残した。


皮を剥いたニンニクが丸のまま入っていたが、これもワンアクセント。


正式名称 : 蝦干蒜子浸[草冠見]菜(干し海老とニンニク入りの[草冠見]菜上湯浸し





デザート
 

マンゴープリン


マンゴープリン  マンゴープリン



前回よりレシピが変わっているとのこと。


まず初めにかなりお腹いっぱいでした;;

結構濃いめの作り。エバミルクなんだそうですが・・・ マンゴーの果肉もたくさん入っており、これが最近の作りらしいですが。。甘みもしっかり。  確かに、よく食べる系の味で美味しい。

ですが、やはりマンゴーの魅力となるあのくせになる香りが弱く感じられます。


ベスト1にあげる方もいるようですが、この辺は好みで。


正式名称 : 香[木亡]凍布旬  3位(マンゴープリン)





エッグタルト


エッグタルト  エッグタルト



こちらも今回のテーマということで途中無理に入れていただいた一品。  ありがとうございます。


こちら外のパイ皮が支配的な一品で中のカスタードが霞んでしまっております。 う〜ん、結構残念。 今までの流れからして結構期待していたのですが・・・・



正式名称 : 迷称鶏蚤[才達]  1位(エッグタルト)




Mt. Fuji


Mt. Fuji  テーブル



こちら、Mt. Fujiと言われるフルーツの盛り合わせである。 やはり甘みが少ない フルーツ群であるが、氷で冷えた果物はさっぱりとして非常に心地よいもの。


ここで今回始めて龍眼(ロンガン)を食べましたが、似てますね。 ランブータン、ライチとか このあたり。。

右の写真はプティフールである。 なかなか風情がありますが・・・・ もう限界ですのでこれは持って帰ります。


テーブルi



見にくいですが、夜景もきれいです。









総評



昨夜に引き続き、素晴らしいディナーの演出ありがとうございました。


さて、前回のランチは一体なんだったのでしょう? という感じのコース取りと味、 本日は料理長自ら全ての料理をつくっていただいたと聞いておりますが、う〜ん、さすが。


そうですね、いろいろ印象に残る料理はありますが、なんと言っても 冬瓜のスープの右に出るものはないでしょう?  今回の渡航で一番美味しかったです。 その複雑みなどは到底私の知る範囲ではありません。  よく聞く仏跳〜なんかもこの手の類なんでしょうか? 

他の料理も良かったのですが、個人的な好みからすると、料理から考えてデザートがやや弱い印象をもちました。  なおサービスですが・・・・もうこれは言う必要はありませんね。 なにせ特別待遇ですから ^^);


とにかく、雰囲気、味、サービス含めて最高の一夜ではなかったでしょうか?




テーブル  はしおき



問題は次回、普通に行って同じような待遇が受けられるか、ということですが・・・・ 次回行くときもいろいろお世話してもらおうかと考えております ^^);



そして次回の渡航のテーマは決まりました。 今回初めてだった「北京ダック」を他店と比較するための、 食べ比べです!!! 誰かご一緒しませんか??


そして、他のお店でも見かけていた洋風の調理法は無理に中華で食べる必要はない印象も持ちました。 これならフレンチで食べればいいのですから。


後日談として、当日点心料理長(デザートの料理長)が休暇であったとの情報をいただきました。 なるほど、では、次回また一つ楽しみが増えそうです ^^^);