「文華 Man Wah」   ★★★○  2002. 1






入店



すでにコラム等でご紹介している私好みの名店である。今回は日本からEメールで 席の予約からコースメニューの設定まで全て行うことができた。 便利なことである。

店に着いて名前を告げると、すでに注文していたメニューが印刷されて席におかれている。 ついでアシスタントマネージャーが現れて、メールでやり取りしていたマネジャーは本日 休暇を頂いているがよろしく、との事。(らしい?)


席


まずはシャンパン。

銘柄は不明であるがおそらくブーブクリコのリッチリザーブあたりであろうか?  ややこってり系の味が中華にマッチし、酸味もしっかり。 優しい泡が 初日の移動の疲れを溶かしてくれるようだ。


席


席からの眺めはこんな感じで。 ちょっと見にくいですが。 

今回のメニューは全てお店にお任せしたものである。 こちらの希望値段だけ伝えたもの。
食べたメニューは こちら。 




注文





アミューズ
 

豆腐のチリソース


豆腐



チリソースというから、もっとホットなスパイシーなものをイメージしていたが、 全然そんなことはなく、ほのかな中華の香りがする素朴なもの。

なんだろう? 食べたことがある感じの味なのであるが、思い出すことができない。 あまりインパクトに満ちた味ではないが、細い奥行きを感じる良品。

香ばしさも小さなアクセント。ソースに使われているザーサイ?の小片が特に美味。





食事
 

蟹爪
Steamed fresh crab claws with ginger and Chinese wine


蟹爪


前回も食べているが、一体どんな感じに仕上がっているのであろうか? 前回はラーメンの出汁といった感じだったのであるが。  改めて見るとかなり大きな蟹の爪である。 詰め物ではなく、本当に蟹の爪そのもの。


それを、ショウガやネギと共に軽めの出汁で蒸したのであろう。 非常に上品な作りだ。 うまさ爆発という感じではないが、よいスタートを 切り出している。

しゃきしゃきとしたショウガの食感が食欲を増してくれる。 青ネギも同様。





パパイヤのフカヒレスープ
   Double-boiled shark's fin served in a papaya

パパイヤ


パパイヤ1個に入ったフカヒレのスープである。 見たまんまですね。 こちらも上品。最初、やや金華豚系の香りが強かったのですが、徐々に 落ち着いてきて、その統一感はなかなかのもの。


中にはフカヒレとホタテ(生かな?)がたっぷり。さすがにフカヒレはそんなに太いものではないが。  しかし、時間と共にスープにパパイヤの甘みが加わりマイルドに感じられる。 ただし、思ったよりパパイヤは主張していない。 

もっとパパイヤをとって食べるかと思ったが、あまり味はなく、そんなに 取れる訳でもない。はしでつつくと穴が空いてしまわないかとちょっと冷や冷やもの(笑)

嫁さんは最初、ホタテをエノキかと勘違いしたようだ。


明後日同じ様な料理を食べるつもりであるので、楽しみである。 一体どう違うのか!?




酔っぱらいエビ Drunken Prawns


酔っぱらいエビ  酔っぱらいエビ


目の前で調理してくれる。  前回、麒麟楼で食べているのであまり期待していないのであるが・・・・・・・


エビはあまり元気がないのか、あまり跳ねない。 但し、鍋に入るときに抵抗していたようだが(笑)


エビをゆでると相当に紹興酒のよい香りがする。 ものの数分で蓋を開けると、色の濃いスープ(酒?)にネギが見え、中には エビが何匹か。 一人エビ4匹だったかな? 大きさはややばらつきあり。
エビの大きさで味の差は感じなかった。

まずそのまま食べると、ほんのりとした甘さを感じつつ、ぺろりと。 続いて目の前にある醤油をつけて食べると、その甘さが増幅し、 本来つけて食べるようにおかれたソースをつけて食べると・・・

おおおお!!!!


うまいっす。 ビリ辛系の醤油に、パクチーの風味がほんのりと 全体に行き渡り、甘さ、辛さがほどよくエビとマッチする。

ソース一つでこんなにうまくなるものなのか!! びっくり。


酔っぱらいエビ  酔っぱらいエビ


エビを剥くとき熱くて指をちょっとやけど(笑) エビは大正エビ? 車エビ?

一緒に入っていたネギが酒臭かったが、うまかったらしい。 私は食べてない・・・
紹興酒も香りからすると結構良いものを使用しているのでは?と思った。




北京ダック Peking duck


北京ダック


この段階で、まだお腹は腹半分程度。

さあ、ここのダックはいかがなものか? 知人が食べたときはまあ普通という 事だったが・・・・但し、肉の方が臭く食べられた物では無かったそうだ。

割と小さめのダックであるが、照りは十分。それを本当に皮だけ剥いでいく。 中には身をつけるところもあるようであるが、ここのお店は本当に皮だけを使う。

見ているとほんの少しついた肉でさえ、改めて全て丁寧に剥いでいく。 皮のみたっぷり。前回食べたものより、ピンのうまさはないが、 皮を堪能出来る。 そして、味噌が・・・・


なんという美味であろう。 正直に言うとダックの皮というより、 味噌とネギのコンビネーションが素晴らしい。 これだけでもうまいんじゃないだろうか?(笑)  かなりの脂分である。手が脂でぎとぎとになるぐらいであるから。 しかし、食べて脂っぽいとは全く思わない。



北京ダック


美味しい、美味しいと言いつつ、二人でぺろり。 まだまだいける!!!


付け合わせのハートチップのような揚げ煎餅が意外にうまい。 ほんのりとした塩分。サクサクとして、少しもっちりとした食感。
よく味わって食べると、ダックの皮の香ばしさが素晴らしいらしいようだ。 よっしゃ、こうなれば食べ比べだ!!




北京ダックの肉炒め物


北京ダックの肉炒め


セロリ、ニンジン、ピーマン、カシューナッツ、ニンニク、ショウガ等と一緒に、 先ほどの皮を剥かれた北京ダックの肉を炒めた物。

う〜ん、これってうまいぞ。 肉はかなり旨味があり、歯ごたえもある。 これで白米が食べたいと思わせるもの。

しかし、なんと言ってもやはりソースとの相性だろうか? カシューナッツの食感、香ばしさやセロリなどの各野菜の類もアクセントとなり、 ソースと一体になって、肉に絡まっている。

ちょっと甘めのソースで、鶏とはことなる旨味とコクによく合うソースである。

しかし、ポーションが多いぞ。 先ほどの北京ダックでかなり胃が膨れてきた・・残った物はテイクアウトで。



イーフー麺
   Braised E-Fu noodles with vegetable


イーフー麺



これは一体何でしょう?

もういっぱいといった感じだったのですが、目の前に現れたのは ほとんど麺だけの一品。

なんだこれ? とか思いつつ、一口。 う〜ん、麺はややインスタント臭いぞ? と思う間もなく(見た目ぺやんぐ並)、なんだこれは。 はしが止まらない。。

おお、とか言っている間にぺろり。 いけませんな。これは。 麺は柔らかめで水分はほとんどなし、このソースは一体・・・・・


卑怯な味付けである。 ソースは人工っぽくない。 袋竹と青菜だけのシンプルな料理。 予想外に旨くてびっくり。
こんなに食べきれないよ!なんて言っておきながら、結局2人で食べきってしまった。。


イーフー麺




ワイン


ワイン


サンセール ラドセット Domaine Noize ? 1999 Half 260


作り手もはっきり覚えてはいませんが、料理との相性はどうなんでしょう? あまり意識しておりませんでしたが、しっかりとした酸。意外にたっぷりとした アルコール。 

結構なボリュームと感じました。 状態もあまり悪く無そうでした。


嫁さんに言わせると結構薄かった、とのこと。 料理が濃かったからねぇ〜 やっぱりもう少しこってり系のワインの方が中華にあうでしょうか?

前回飲んだゲヴェルツもあったのですが、ハーフ位が量的にちょうど良いかと。





デザート
 

ココナッツスープ
Chilled coconut cream with pomelo, mango, melon and yalm seed


ココナッツスープ


謎のでざーと(笑)


濃厚なココナッツミルクのスープの中に各種果物などが盛り込まれている。 薄味なメロンやマンゴーの甘さ、クニクニとした歯触りの正体不明の果実(柑橘系の果肉っぽい)。

なかなか面白い。
するすると食べてしまった。ココナッツミルクがお腹にやさしそう。。




マンゴープリン


マンゴープリン


プラスαでマンゴープリンを1個だけ。

う、残念な一品。 マンゴーのプリン部分は前回のままなのであるが、 マンゴーの果実部分がかなり苦い。 腐っているのではないとは思うが・・・・

7.5点。

おいおい大丈夫か?? たのむよ。これだけはしっかりしてください。



マンゴープリン










総評



う〜ん、よかった。 最初、やや上品系の料理が続いたと思ったが、全体のコース から考えるとこれがジグソーパズルの1片をはめるかごとく、よいコース取りと なっているのが分かる。

後半はどちらかというしっかりとした味付けの料理が並び、急速に満腹感が 得られた。


サービスも何度も声をかけてくれたり、撮影についても好意的に対応してくれている。 本当にうれしいものである。

こっちはほとんど英語が話せないのですが、特に意志の疎通に問題もなく(笑)

また行きたいお店である。 今回は宿泊客とおぼしき日本人が多かった。 逆に西洋人は少ないように感じた。

みんな贅沢よねぇ〜


以前もまったく悪くなかったのですが・・・・
やはりお偉い人に言っておくのは大切ですね。 次回も利用させていただきたいと思います。

よい香港初日のディナーを過ごせました。



プティフール