パリ記


1998年末〜1999年始にかけてパリに行ってまいりました。


写真付きですが、初めての器材であったため、操作に慣れず、
やや見にくい点もありますので、ご了承ください。



12月31日


冬休みをパリで過ごす計画。目的は「食べる」ため。昨日から調子がよくない。
非常に熱っぽく、だるい。航空会社はエールフランス。シャンパンがでるらしいので。
飛行機は12時30分。早速食事だ。食前酒でシャンパーニュを選択(1/4)。
この辺はご立派。食事のメニューは、

スモークサーモン

七面鳥のロースト栗添え、ドフィーヌポテト、グリーンピース

チーズ

特製レヴェイヨンデザート

コロンビアコーヒー


では、あったが、とにかくまずい。
体調が悪いのもあったが、どれも食べるのに苦労するぐらいにつらかった。
食事時の飲み物もワイン(ハーフ)が2種。 赤、青ラベルの2種。赤はカルベネ、青は・・・・・?
青がおいしいらしいと聞いていたが。確認できず。体調が悪く飲める体力なし。

機内は暑く、周りの乗客はかなり薄手の格好になっているが私には非常に寒い。その後の食事は、

スモークサーモン

豚のバーベキューソース、キャベツ、ドッシェポテト

チーズ
フルーツサラダ

コロンビアコーヒー


私はもう食欲がなく、フルーツにしか手を付けられない。。
13時間かかって到着。(到着は現地時間で夜5時)


  ホテルは

IBIS Paris GARE DE L'EST

場所は10区。東駅と北駅の近く。治安もあまりいい方ではないようだ。
ホテルはビジネスホテル並。冷蔵庫はないし、お湯を沸かす設備もないようだ。
チーズなどを買っておいても部屋においておけない。。
一応ツアー会社はホリディツアーではあったが。次回はもう少しホテルも考えよう。。。


ホテルへチェックインするとそのまま気を失うように寝てしまった。(夜8時)

大晦日だというのに・・・・・



1月1日



気がつくと朝9時近く。13時間近くも寝てしまっていたようだ。
どうも調子が悪い。持参した体温計ではかると 38度 を超えている。げげ!!
とりあえずホテルの朝食を食べるが、寒くてどうしようもなく、食欲も進まず、
そこそこでベッドに戻り、寝る。昼は予約しているレストランへ。 地下鉄で移動する。

ホテルの朝食 1   ホテルの朝食 2




 レストラン L'astor   


ミシュランで星1つ


ホテル「アストール」内のホテル。 ロブションがらみのお店。

注) 2000年現在 2つ星

Lastor 外観   Lastor 店内  

天井は高く、明るい感じの黄色をベースに感じにしたようなインテリア。
かなり昔から前から予約してあるため、一番の奥のよい席に案内される。

体調も悪いので、軽めのコースを予約。ランチとしてのコースはなかった。
夜と併用。価格は、前菜、メイン、チーズ、デザート、ハーフワインが付いて

298フラン(6400円ぐらい)

料理はそれぞれ4品ぐらいから選択できる。
下記の料理はそれぞれフランス語でかかれており、一部しか実際には読めていない
ので間違いがあるかも。

ワインは、赤か白かを選択できる。 白で。 
ヴァンドペイのようだ。1997 LE POT(?) レシートでは MUSCAT とある。
なかなか美味しい。ゲベルツのような香辛料系のかおり、やや甘めの白。
体調がよければ、さぞうまいだろうと想像できる。


前菜

フォワグラのソテー

フォワグラのソテー

ちょっと甘め。非常にオーソドックスな味。 確かカブ(?)か何かと一緒に。
 

ジビエのテリーヌ

ジビエのテリーヌ

ちょっと癖がある。やや苦み。



メイン

コルベの唐揚げ

コルベの唐揚げ

魚(20cmぐらい)を背中から開いてそのまま揚げたような感じ。
さっぱりしたバターソース・レモンで味わう。これは歯触りがよく。おいしかった。


マグロのステーキ(?)

マグロのステーキ

10cm角ぐらいの大きさ。鰹のたたきのように回りだけ火が入っているが、
中は冷たくもない。ピンクの胡椒のソースがなかなかマッチしている。



チーズ


15〜20種程度か。 それそれ数種を頼んだが・・・・・
う〜ん。まだ早い気がする。 熟成感がどれも足りない。
フランス人て若いのが好きなの??



デザート


フランス語で何種か言われるが、認識できたのは、
ミルフィーユとショコラのムースぐらいしか 。。。

ミルフィーユ  ショコラのムース

一応メインで付いてくれたギャルソンヌが 徹底的にフランス語しか話さない。
見習いとおぼしき若めのギャルソンは英語で応対してくれるのに。
注文できた2つのデザートはうまい。
双方とも苦手な人がいると思われるぐらい甘めだが、好みとマッチする。
非常に強いうまみ。もちろんただ甘いだけのデザートではない。

ミネラルウォーター、お茶も込みだった。

もう体力の限界でホテルに帰るが、体温が39度を超えている。
そのままベッドに倒れ込み意識を失うように、寝る。

  1月2日   


前日と同じく13時間ほどの睡眠時間。 朝だけ食べてまた寝る。
夕方近くの商店街に夕食の買い物。スーパーがあったので、果物や
ミネラルウォーターを物色。 物価が非常に安い。 どこの町並みにも、
ニコラ(ワインショップ)とパティスリーとサンドイッチ屋、ビストロ
などどこでも目に付く。特にパティスリーは多い。ケーキなどを売って
いるが、1つ約10フラン弱。(230円)。 上品ではないが、結構うまい。
バゲットなども1個2フラン(40円)とかで見つかる。 
特に感動したのが日本でよく見かけるカマンベールやウオッシュ、シェーブル
などが1個10フラン前後で売られていることだ。
もちろんチーズ屋もあり、値段も店によって多少異なるが。

  なんとすばらしい!!

 それに対してワインはほぼ日本と同じ。1本約1000円前後。
これだとワインが非常に高価に思えるが・・・・もっと安い入手手段でもあるのだろうか?
ほとんど1997、1996と若飲みが圧倒的に多い。

依然熱は下がらず、少し外に出ただけで、熱が5分ぐらい上昇する。
さすがにこの日のディナーの予約はキャンセルした。
一番つらいのが、給湯設備がないことだ。 暖かいお湯が欲しい!!
夕方すごい雨が降っていたようだ。

1月3日

微熱に下がった。このまま寝ていてもらちがあかないのでやや強行に出かける。
ルーブルからフラン・ブルジョア通りへかけて散策する。風が強いが、やや暖かい。

昼は途中のカフェで、クレープを。
 初めて食べる食事のクレープ。 豚肉とチーズでなかなか。ただそば粉では
 なかったようだが。
 
散策は3時間ぐらいか。
夕方はホテルに戻りしばらく休憩後、ディナーへ。

夜は当日予約してホテルニッコーのメインダイニング

  

 「Les Celebrites」  

  ミシュランで星一つ
 
眺望がよい旨の記述があるが、さほどではない。
しかし、日本語が使える。メインのサポートをやってくれた人はどうも中国人の
ようだが、完全に日本語をマスターしているようである。

多少食欲も復活したのでアラカルトか、コースかを悩む。
メニューにジビエがないかを確認すると、「もう時期は終わりました」とのこと。

?????? 

そんなわけないなぁ〜と思いつつ、日本語なので聞き間違いはない。
アラカルトのメニューがそのままコースのメニューに
組み込まれているようなのでコースにしてしまった。
コースは、295フランで前菜、メイン、チーズ、デザート込み。(お茶、水は別)



食前酒

  キール

キール 45フラン(1000円ぐらい)




前菜


生牡蛎

生牡蛎6p 〜 赤ワインソース 〜
これといった特徴はないけど、1回は食べておかないと。


白インゲン豆のスープ

まずまず。



どちらもメインの量が多いと食べきれないので、軽めのセレクト。



メイン

ホタテのソテー
5個。小さめのホタテがソテーしてある。
ソースはこってり目。印象がない料理。



子牛の腎臓

内臓好きなんで、注文。焼き方は? と聞かれる。。

「へ?」

今までステーキ以外で焼き方を注文されたことがない・・・
とりあえず生は怖かったので、「ミディアム」と。

これがすごかった

腎臓そのまま1個

腎臓


拳2個よりでかい。  これがうまい。
付け合わせは茸のソテー。何種かの茸がソテーしてあるが、
(きのこの)味がよくでいて、腎臓とよくあう。
非常に見た目、味ともの衝撃的な1品。味付けは単純であるが。




ワイン


1993 Dujac モレサンドニ

440フラン  うまかった。
ただ今の旅行ではアルコールに耐性が弱くなっており、1/3ほど残した。
ブルゴーニュ、香り高く、強いタイプ、300〜400フランでソムリエまかせ。
日本語だといくらでも文句が言える)



チーズ

チーズ

説明されずに選べ、と。適当に選ぶが、先日の熟成感の不足はない。
個人的にシェーブルの濃厚な感じに感動した。
こんなシェーブルもあったのか、と。
名前は残念ながら。もうほとんど食べられず。



デザート

左はプティフール

プティフール  デザート


ワゴンで選ぶ。わかりやすい。お腹限界だったので、アイスクリームを。
リンゴ、ショコラと、バニラの3種。リンゴが特に酸味が強く、お腹具合に
非常にマッチした。他もいい味しているとは思うが、いかんせん、状態がつらい。



  1月4日   



もはや最終日。相変わらず微熱が続くが、強行。
マドレーヌ広場へ。フォション、エディアール、ニコラなどを見て回り、
ニコラにて「ワインの鼻」とラギオールのソムリエナイフを手に入れる。
(免税手続き忘れたのは痛かった)
ニコラの地下のワインセラーは必見のとのことで出かけるが、ああお見事。
特にソーテルヌのビンテージの色の変化がおもしろい。
もっとゆっくり見たかったが・・・・・

ギャラリーラファイエット(デパート)のグルメ広場へ。
おみやげを物色。しかし、おもしろい物がたくさんある。
チーズの品揃えは降参。 
ワインは・・・・・・う〜ん。現ブームの今の日本はすごいかもしれない。
肉(ソーセージ、ハム)なども様々。それに比べ魚の種類の貧弱さ。
茸はモリーユ茸がダントツに高い。もちろんトリュフやキャビアなども揃っている。
これぞ、文化の違い。 買い物を適当にすまして、一時ホテルへ戻り休息をとる。

出直してレンヌ通りへ。本格的なクレープ屋にて食事。



ハムとチーズ

そば粉の味が前面に出ている。そば好きの私には応えられない1品。



ハムと茸のソテーとサワーソース

茸のソテーがうまい。なんかこっちの茸は味が濃くてうまい。
同じそば粉だろうが、中身が濃厚でそばは楽しめないけど、これも美味しい。
飲み物はもちろん、シードル。
お茶碗で供される。これはびっくり。かの地でこうして飲むものなのか??




アーモンド、ショコラ、バニラのデザート

まあ、想像できる。2人で上記の物を食べてかなりお腹いっぱいになった。


  
レンヌ通りで食器などを物色したが、結局持ち帰ることを考えると断念した。
ルクルーゼなどこちらで見ない商品も多数あることが判明。
次回の来訪時には徹底的に漁る必要を認識。
またホテルに戻り休憩。夕食に備える。



本旅行のメインイベント


Michel Rostang

  ミシュランで星2つ

ジビエや素材を楽しませてくれる店。
タクシーで乗りつけ、店の前でメニューを漁って来店。やはりかなり前からの予約のため
一番よい席へ。それほど店内は大きくない。 今までの店で一番小さいぐらい。
しかしテーブルは広く、重厚な雰囲気。 

早速メニューを渡されると、なんとそこには日本語併記のフランスのメニューがあり、
しかも別にトリュフのみ10品ほど別の用紙に書かれている。

これはもうアラカルトに決まりでしょう。。。。。



アペリティフ

グラスシャンパンを注文。これが激うま!!
今まで飲んだシャンパンの中で一番と言ってもいいでしょう。
後の勘定書によると、

Louise POMMERY 1988  

1杯135フラン(3000円ぐらい)
値段もいいけど、確かにうまい。感動。


さて料理は、



アミューズ1

ナスとキャビアの・・・・・・・???

とにかく素材が何であるか全く分からない。が、うまい。 
何のうまみというのではなく、とすべてが渾然一体となっているといった感じ。
パンに付けて食べる。たぶんのナスの甘みによる味なのだろうが・・・・
キャビアもふんだんに使われている。




アミューズ2

魚のフライ(?)

小魚(4cm程度)を開いて、ナッツ系をまぶして素上げしたような感じ。   
歯ごたえが心地よい。これもすばらしい1品。




前菜

トリュフと紫アーキチョークのスープ

これは、もううまい。今まで食べたスープ中でも1番に入るでしょう。
トリュフもふんだんにまぶしてある。スープも濃厚。ちょっとしょっぱめで
はあるが、ぎりぎりの範囲。アーキチョークとその周りにハムが巻かれている。
感動の1品。 295フラン(6600円ぐらい)



ホタテとトリュフのミルフィーユ仕立て

ホタテが鮮烈。

連れが「ダイビング中に間違って海の水を飲んだような」海を感じたと。

ホタテの薄切りとトリュフを何層にも重ねたもの。 
こんなにトリュフを食べたのは初めてというくらいトリュフがふんだん。
なんか歯ごたえはジャガイモに似ていません??
トリュフ自体の香りは、スープの方が強かったかな。
しかし、未だにそこまでありがたがる価値はまだ分かりません。 要勉強。




メイン


のろ鹿のロティ 栗とジャガイモのミルフィーユ

のろ鹿ってジビエでいいんですよね?? ソースはやや甘め。 ソースと食べると
最初のソースの甘み、肉のうまみ、最後にちょっと苦みがくる。複雑な味。
やや癖ありか? 付け合わせのオレンジと一緒に食べるとなおよし。
栗もうまい。砂糖の甘みではなく栗自身の甘みが十全に引き出されている。
ジャガイモも、非常に薄いスライスされている。外側には焦げ目が付いているのだが
中にはやや生っぽく、その対比がおもしろい。

いや、脱帽。

295フラン。
これも焼き方を聞かれたが、同じく「ミディアム」と。
「レア」にさらなる期待。まだ「レア」なる単語を使っている自体。
要勉強。



オマールのロースト

素直に脱帽。エビのしっぽの部分は殻ごとロースト。
脇にはみそで作ったと思われるグラタン。
皿の中心には、オマールの身が詰まったラビオリとオマールづくし。
これが激うま。単に火を通したのでは絶対でないうまみ。
それでいてオマールのうまさをここまで引き出せるのかと。
塩分もやはりきつめだが、ぎりぎり。ほんとにぎりぎり。
これ以上しょっぱいと手が出せなくなるそのぎりぎりを突いてくる。
うまみの凝縮感。  325フラン

よい肉や鮮魚などは生や焼いただけの方がうまいと
思っていた私の既成概念を大きく崩してくれた。

調理はこうあるべき見本。




ワイン

もう1本が飲めないことが分かっているのでハーフを注文。
1994年 マルゴー村 ???? (名前失念 4文字ぐらいだったと思う)
勘定書には、LABEGORCE とあったが・・・・
強めで頼んだら、ほんとに強い。それでていバランスはとれている。
235フラン

フルでは最低300フランぐらいからで、500フランはないと選択肢が少ない。




チーズ
  
もう食べられないため注文せず。




デザート

チョコレートのスフレ

美味しいけど。今までの流れで期待しちゃうと残念。120フラン



マロングラッセ   120フラン


薄目の板チョコの間にマロングラッセとクリームが。
ちょっとチョコをはずすとこれも濃厚なマロンが。



デザートについてくる小菓子がこれがもうほんとにお見事。 よくここまで手を抜かずにがんばっていると思えるほど。1品1品ひとつと同じ物はなく、 それでいて、その味はもう立派。ついすべて味だけは確認しました。 フルーツのせあり、デザートの砂糖漬けあり。

すべてに脱帽

特にフルーツの砂糖漬けなんてよく見るけど味なんて
思っていた既成概念を大きく取り払ってくれました。果物より果物らしい。



ミネラルウォーター 25フラン

カフェ 25フラン

んで、計2080フラン(2人で)


しかし・・・・・・・・・・・・・サービスがすごい。 今までの2軒では
私がフランス語を話せれば・・と思ったことが、ここでは一度たりとそんな気に
なったことはない。 向こう英語で通した訳でもないし、英語だって
私は分からない。それなのに、全く不満に思わない。 まさにすばらしい。


最後には、タクシーを呼びましょうか? とまで声をかけてくれて
外に送り出してくれる。まさにかゆいところまで手が届くサービス。
ああ、何という充足感。

今回、不調のためほとんどパリという場所を見なかった。

しかし、ここで食事にきたことでそれ以外の
不幸をすべて忘れることができる。



「私はここで食事ができた」

これだけで十分だ。 これ以上の説明は不要だろう。
なんとしても、次回も訪れたい!! 


2つ星と1つ星の差を明確に感じた。
 他の2つ星もそうなのか・・・はてさて、来年の再訪を期す。

翌日帰国の途につき、無事に自宅へ。
この間のまずい機内食に触れることもないだろう。